負けられない戦いが
そこにはある
小林剛が見せた
鬼プッシュの結末は
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年1月19日
この夜で各チーム60試合目を迎える。
つまりレギュラーシーズンも2/3が経過したことになる。
徐々にチーム事情が対局に緊張感をもたらす。
負けたくない、負けられない、負けていられない…
1戦目
南家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
北家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
東1局 負けられない戦い
魚谷はこのをツモ切った。↓
ずっとを残してという形を維持している。
河にある…そしてこの白あたりでを切ってほぐす打ち手が多いと思う。
しかし魚谷は安易に先切りして、受け入れを狭めない。
「麻雀に奇手は不要」
を信条とする魚谷は、やが暗刻になった時の三暗刻まで見ていたのだろう。
魚谷は先週、大きな発表をした。
お相手の宮澤さんに関しては、キンマウェブの独占インタビューをどうぞ。
魚谷はこのツイートをする前日、Mリーグの試合に連闘していた。
本当はそこでトップを取り、インタビューの場で結婚を発表したかったのではないだろうか。
今後、負けてしまうとどうしても「結婚して弱くなった」という声が上がってしまうだろう。
相手のためにも自分のためにも、絶対にそうは言わせたくない。
だからこそ、魚谷は負けられないのだ。
すぐに亜樹からリーチが入り、小林が珍しく神妙な面持ちで迷っていた。
小林(むぅ)亜樹(ポリポリ)
手牌には赤が3枚。↓
・と切れない無筋が2枚になったところで小林は…
を中抜きしてベタオリ。
小林が唇を噛んだのを、カメラは逃さなかった。
小林もまた、負けられない。
Piratesは最下位に沈んでいて、セミファイナルまでのカットポイントである6位まで200pt以上の差がある。
まだ30試合ある上に簡単にひっくり返る差であるとはいえ、これ以上負けることがあると危険水域に突入することは小林もわかっているだろう。
その立場でありながら、目の前の赤3というご馳走を破棄せねばならなかったのだ。
こうして東1局は亜樹の2000点で幕を開けた。
東2局 優雅な舞姫
アガった亜樹がここからを切った。↓
結構すんなり切ったが、見た目以上に深イイ選択である。
普通はを切ってチャンタの6ブロックに構えるだろう。
しかし三色にするためにははいらないターツだ。
そこで一歩先にを払うことにより、安全牌やフォロー牌を持つスペースが生まれる。