やっほーい! 儂じゃよー! 今日も元気に3000・6000! 麻雀歴1000年の鴉天狗、千羽黒乃が今週もキンマwebに参上じゃ!
第40回を迎えた先週のコラムでは、番外編として「麻雀AI」についてお話したのじゃ。
日々進歩を続ける人工知能によって、より一層洗練されてゆく最新の麻雀戦術! そんな時代だからこそ、生きた人間にしかできない熱を帯びた打牌を届けたい、とお伝えしたのじゃ!
攻撃の基本はリーチ! だけど…?
儂の大好きな麻雀の役、それはリーチじゃ! 打点がアップし、他家を抑えつけ、一発や裏ドラの可能性もあるワクワクする役。これまでのコラムでも、「聴牌したらまずはリーチを打とう!」と、お話してきたのじゃ。
ではでは突然じゃが、ここでひとつ問題じゃ!
こんなテンパイをしたら、お主は何を切ってリーチするかのう?
を切ればカンの聴牌。を切ればとのシャンポン待ちの聴牌じゃ。
こんなときは何を考えて待ちを選ぶのが良いのかのう? こんな愚形テンパイの和了率をアップさせるポイントを、今日は伝授するのじゃ!
発表!「待ちの強さランク」
愚形テンパイで和了るコツ、それは「待ちの強さ」を知ることじゃ! 実はリーチをかけた後に、「他家から出やすい牌」、「出にくい牌」があるのをご存知かのう? 名付けて「待ちの強さランク」! まずはこれを発表しちゃうのじゃ!
字牌がもっとも出やすい強い待ち。数牌の待ちの強さは端っこの牌ほど出やすく、内側の牌ほど出にくいのじゃ!
これを具体的な待ちの選択にどのように活かすかというと!
たとえばこんな聴牌ならば
切りならのカンチャン待ち。
切りならとのシャンポン待ち。
「待ちの強さランク」で優れる1・9牌を待ちに含める方がアガりやすいため、切りリーチのシャンポン待ちが優位!
筒子の形が少し変わったこんな聴牌ならば
切りならのカンチャン待ち。
切りならとのシャンポン待ち。
「待ちの強さランク」で優れる2・8牌を待ちにできるぶん、切りのカンチャンリーチが優れるといえるのじゃ!
出やすい牌と出にくい牌、その理由じゃ!
待ちの強さに差があるのは、一体なぜなのかのう? それはリーチを受けた相手の気持ちになってみれば自ずと分かってくるのじゃ!
リーチを受けた相手は、もちろん放銃を避けたいと思うはず! 現物があれば良いけれど、それがなければ「なるべく安全そうな牌」を選んで切るはずじゃ。この「安全そうな牌」を具体的にランク付けすると…
安全度第一位は「字牌」じゃ!
字牌はタンキかシャンポンの合計2パターンの待ちにしか当たらないため、数牌よりも明確に安全度の高い牌じゃ。
続いて2番目は「1・9牌」。
1・9牌は1通りのリャンメン待ちかタンキ・シャンポンの合計3パターンの待ちにしか当たらないため、数牌のなかでは最も安全度の高い牌じゃ。
3番目に「2・8牌」じゃ。
2・8牌は1通りのリャンメン待ち・タンキ・シャンポン・カンチャンの合計4パターンに当たるため、「1・9牌」よりもやや危険な数牌じゃ。
4番目は「3・7牌」。
3・7牌は1通りのリャンメン・タンキ・シャンポン・カンチャン・ペンチャン待ちの合計5パターンに当たる可能性があるため、「2・8牌」よりもさらに危険な牌じゃ。
そして最後に「4~6牌」。
こちらは2通りのリャンメンとタンキ・シャンポン・カンチャンの合計5パターンに当たる牌。リャンメン待ちに当たりやすいぶん、数牌のなかでも最も危険な牌となるのじゃ!
つまり、リーチを受けた相手の立場になって考えてみると、
字牌>端牌>2・8牌>3・7牌>4~6牌
の順で安全度が高い(≒捨てやすい)と判断することができのじゃ!
…あれ? この順列ってどこかで見たのじゃ?
そう、まさに先程発表した「待ちの強さランク」なのじゃ!
愚形テンパイ時の「待ちの強さ」とはつまり、相手が捨てやすい牌を選ぶこと。これを把握することが、待ちを選択するときのコツなのじゃ!
待ちの強さランクが同じ場合はどっちに受けるのじゃ?
さて、ここまでの「待ちの強さランク」で待ちを選ぼう! というお話は理解できたかのう?
ではではさらに一歩踏み込んだ問題じゃ!
切りならのカンチャン待ち。切りならとのシャンポン待ちじゃ。どちらも2・8牌が待ちになっているため、「待ちの強さ」では差がなさそうなテンパイ。こんなときはどう選ぶのが良いのかのう?
それは…どん! 「シャンポン待ち」がオススメじゃ!
なぜなら、「あと引掛けのなりやすさに違いがある」ためじゃ!
あと引掛けとは、たとえばカン待ちでリーチをかけた後にをツモってきたときのことを考えてみてほしいのじゃ。は和了牌ではないものの、河にが捨てられることによってがスジ引っ掛けとなり、他家から捨てられる可能性が高まることがあるのじゃ! お主ももしかしたら、覚えがあるかのう?
今回の聴牌のように複数の愚形から待ちを選べるとき、カンチャンに受けた場合に待ちが「後引っ掛け」になるのはをツモったときだけじゃが、シャンポンに受けた場合にはか、2種類の牌をツモったときに待ちが「後引っ掛け」になるため、ちょっぴりだけお得!
基本は「待ちの強さランク」で選び、「同じくらいならあと引っ掛けのなりやすさでシャンポンにする」というところまで覚えれば、実践で迷う機会はぐぐっと減るはずじゃ!
今回のまとめじゃ!
・愚形リーチをかけるときには「待ちの強さ」を意識!
・「待ちの強さ」は字牌>端牌>2・8牌>3・7牌>4~6牌
・同じくらいなら、後引っ掛けになりやすさでシャンポン待ち!