空星きらめの輝きが導いた
さあ、校歌斉唱の時
今宵の勝者は神域の者達なり!
神域リーグ2023は、成長というキーワードと共にあった。
ドラフトが終わって、連なった名を見て、当時皆さんはどんな感情になっただろうか。
ヘラクレスを率いた松本監督はドラフト当時のことをこう語っている。
「このチームじゃ(優勝は)無理だと言われてた」
雀魂の段位が高いわけでもなく、これでは勝てないんじゃないか、そう言われたと。
そしてもしかしたら、こうも思った方もいるかもしれない。
「勝ちにこだわらないなら、楽しくやれば良い」
と。
それは半分正解で、半分違っている。
私達視聴者は、楽しんで見る。それは間違いない。
けれど、麻雀を実際に打つ彼彼女らは、ただ楽しめば良いと思っていただろうか?
もし仮にそうであるならば。
不運に苛まれ、涙することはあるだろうか。
勝利の後でも敗北の後でも、真剣に牌譜と向き合い、反省することはあるだろうか。
努力の先に持ち帰ったトップに、心から歓喜することはあるだろうか。
最高に楽しんで、やりきったんだと、胸を張って言えるだろうか。
麻雀を真に楽しむためには、真剣に取り組む必要がある。
誰一人として、真剣でない打ち手など、このリーグにはいなかった。
だから、私達も心を打たれる。胸を熱くさせられる。
4ヶ月に渡る、お祭りもついに終わりを迎える。
しかし最後まで、選手も、監督も、そして視聴者も。
最高の熱を持ってこの最終戦を迎えたことを、ここに記して置こう。
ファイナル第3試合
東家 朝陽にいな (チームグラディウス)
南家 咲乃もこ (チームアトラス)
西家 白雪レイド (チームアキレス)
北家 空星きらめ (チームヘラクレス)
まず最初に、ここまでのスコアを確認しておこう。
首位のヘラクレスと2位のアトラスは、30.8pt差。
1着順と、10.8pt。アトラスはトップを取ることさえできれば、優勝。
グラディウスは基本大きなトップかつ、ヘラクレスをラスにし、アトラスも素点を削った上での3着の並びでギリギリだ。
アキレスは残念ながら、現実的な優勝への条件は残っていない。
それでも朝陽も、白雪も。最後まで自分たちが最善だと思う打牌をする。
それが、神域リーグ。
最終戦が、幕を開けた。
東1局
空星が白雪から出たをチーして発進する。
を重ねたことにより、ホンイツのターツが足りた。役役ホンイツドラの満貫が見えるため、ここはチーから発進。
これに、白雪が応戦。のチー。
「きらめさんはソーズのホンイツでほぼ確定……絞ってもいいけど、アガんなきゃね」
空星の動きだしを機敏に察知し、自らも手牌が悪いながらアガリへの道を模索する。
昨年は苦しい中での最善を目指す戦いが多かった白雪だが、今年は如何なくその実力を発揮している。
を引き入れていた空星が、をポンしてテンパイ。
待ちはとのシャンポンに受けた。8000点のテンパイ。
そしてそこへ飛んできたのは、じっくりと手を育て、超ド級のテンパイにまで辿り着いていた朝陽だった。
リーチピンフ三色赤赤まで確定。18000からで、をツモれば24000のリーチ。