園田賢のブラフオールイン
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年11月28日
第2回戦
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:鈴木大介(BEAST Japanext)
西家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
Mリーグの試合において局の途中に発声出来る言葉はポン・カン・チー・ロン・リーチ・ツモと基本的に種類が少なく、口には出せないけど相手に伝えたい何かがある時には牌に想いを乗せて河に置いてくるほかありません。
そんな静かなる魂の叫びが、この試合で何度か聞こえてきました。
序盤に試合を作っていったのは大介選手。
開局で先制リーチをかけたのは萩原選手でしたが、戦える手牌がくれば後手を踏んでも読みを入れて押し返していくのが大介流です。
と全て手出しのリーチを見て、このケースは序盤の裏筋の安全度が比較的高くなるという読みから
悠々とと切っていきリーチを被せていきました。
直前に亜樹選手から切られていたがの壁を利用したものだと読めていれば、ここはダマテンが本筋の手だったと試合後に振り返っていた大介選手でしたが
結果は一発で萩原選手からを討ち取り、裏も乗って満貫のアガリで幸先の良いスタートを切りました。
一方で放銃となった萩原選手は、リーチ前にはの重なりを期待して切りを選択していたのですが
先にが重なってしまったためカン待ちのリーチとなり
その後にとやってくる間の悪さ。
放銃後、自身に立ち込めた暗雲を察知したかのように宙を見つめていました。
次は仕掛けて攻める大介選手。
後手からの押し返しだけでなく、先手を取った仕掛けから打点を伸ばして行くのも大介流で
常に意識している高打点ルートにドラ赤ドラと乗ってきてハネマンのテンパイ。
すぐにリーチの萩原選手から出アガリを決めて独走体勢に入りました。
南場に入り、トップ目の大介選手としては3人の親を無事消化したいところ。
自身の手はアガリには遠く、親の亜樹選手が真っ直ぐ手を進めていると感じた大介選手は
園田選手がを切ったこのタイミングがベストだと、「どうぞ鳴いてください」とを合わせ打ちして萩原選手のアシストに入ります。
ところが「は安めなので」とスルー。
そこからドラのが重なり、今度こそはを受け入れる気持ちになっていた萩原選手でしたが
むしろ放銃せずに鳴かせたい大介選手としては前巡鳴かなかったは後回しになる牌。
園田選手の切ったに合わせ打ちをして様子を伺います。
この二人のすれ違いにより僅かに生まれた、隙と呼ぶにはあまりにも小さな綻びが
親番の亜樹選手を蘇らせました。
さらに園田選手にもハネマンのアガリが飛び出すと、勝負の行方は急に混沌と化して三人の叩き合いがスタート。
3人が順番に大物手をアガっていくゲームに無理矢理参加させられていた萩原選手。
そんな悲惨なゲームの中で喰らった極めつけの一撃が