絶対に諦めない。
菅原千瑛に与えられた
ギフト
文・越野智紀【火曜担当ライター】2024年1月23日
第2試合
東家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:菅原千瑛(BEAST Japanext)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
東1局
園田賢は考えていました。
トイメンが何待ちかということを。
2巡目にをポンしていた仲林選手は、をポンして切り。
をチーしてが出てきました。
最終形が雀頭の無い形だとするとペンターツを払っていた部分で手牌を5ブロックから4ブロックにしていたことになり、残った手牌4枚の中には雀頭がないと不自然に見えます。
ポンで出てきたが手牌に関連していない状況はからの伸びも見たくなるような弱いターツが残っている時に見られがちですが、それに該当するような弱いターツが既に存在せず。
仕掛けを考える手で以外に雀頭がある状況でを先切りして孤立のを残す組み合わせが見当たらないので、ポン出しのは相当手牌に関連していそうです。
終盤になりの周辺が次々と切られて雀頭の存在が浮かび上がると、からを切ったことが発覚してシャンポン待ちの可能性が激減します。
愚形ターツが残っていれば変化を考えてを残しがちなので、仲林選手の最終形の良形率が上昇。
からを切ることは無さそうなので待ちは除外。
これで残されたリャンメン形はとに絞られました。
他のパターンは周りの進行を考え守備的にを先切りしたカンなども出てくるかもしれませんが、が先に切られていることも加味すれば待ちが本命に見えました。
さらに仕掛けていた仲林選手は奇を衒わない打ち手。
実は手牌4枚バラバラでしたなんていうことも無さそうです。
当然マンズのリャンメンは危ないと考えていた園田選手でしたが、2巡目のをポンして切ったが気になってしまいます。
「解せぬ」
まだ孤立した牌が残っている状況でからを切っての二度受け固定はどうにも腑に落ちません。
また遠くから仕掛けての1,000点が出てくることも想像できず、仲林選手の仕掛けはが絡んていると園田選手は考えていました。
一番ロンされそうに見えたマンズのリャンメンに疑念が生じたことで、他のケースも警戒することになり
を想定して撤退。
仲林選手の手牌は雀頭の待ちで、この時の手順は
マンズはを中心に1ブロックのつもりで切り。
ここからマンズで2ブロック狙いに予定を変更。
ツモで先切りした状況での二度受けの完成です。
これが違和感のあった先切りの正体で、仕掛けの待ち読みクイズになりそうな面白い局面が生まれました。
『他のあらゆる可能性がダメだとなったら、どんなに起こりそうもないことでも残ったものが真実だ』と言えば、この一局は雀頭のマンズ待ちが真実だったのかもしれませんが、非効率的に打つことで相手の読みをズラして出アガリの確率を上げることもあるのが麻雀の難しいところ。
局終盤の粘りには定評のある園田選手でしたが、この局はリスク少な目の道を選択しました。
東3局
ホンイツ狙いの仲林選手。
からは仕掛ける予定で1枚目のはスルー。
数巡後、次のは鳴く候補に変更。
を離して置いて赤を混ぜずに鳴く準備に入ります。