仲林圭は、
新しいメガネを装備した
文・東川亮【金曜担当ライター】2024年4月19日
朝日新聞Mリーグ2023-24セミファイナル。
4月19日第1試合の入場を待つ青いユニホームの男に違和感がある。
仲林圭がメガネだ。
https://twitter.com/jagabayashi/status/1781233379108913365
本人いわく、新しいメガネを買ったのでイメチェンしたとのこと。
メガネは外見のイメージを大きく変えるが、仲林の麻雀は変わらない。
第1試合
西家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
メガネ効果があったかどうかはともかく、本人をして「匠だった」と振り返ったのが、東3局の手順。
この局は234三色の種となるターツがそろっていたが、を重ねたところでを切り、6ブロックの形に組む。はドラ表示牌で1枚見えており、鳴いて手を進められるのはもちろん、守備駒としても優秀。
を引いてメンツが完成、ここは發を落としてピンフ形でのリーチに向かう。
すんなり先制リーチにたどり着くと、
程なく高目でツモって2600は2900オール。供託も含めて1万点近い収入となり、トップ目に立つ。こういうところの手順はまず間違えないのが仲林だ。
南2局は、早々にブロック候補が出そろったことで孤立のを早々に切り飛ばす。37牌は手作りのキー牌と言われるが、ここまで手が整っているなら、むしろ中途半端に持つことがリスクになりかねない。
ダブをポンして1シャンテンになり、
チーで先制テンパイ。
2つ仕掛けた仲林に対し、十分形の1シャンテンにロン牌を持ってきたたろうが、を切って後退する。仲林が切った数牌はと滝沢が鳴いたのみ。ただ、最後に手出ししたのが自身で1巡目に切っている2枚切れのということで、すでにテンパイしていると察し、ロンになり得る牌を止めたのだろう。このあたりは、仲林に対する他者の信頼度がうかがえる。
ただ、どんな強者でも相手のツモを完全に止めることはできない。そして、打点が倍になるこのは実にうれしい。ダブ赤赤、2000-4000のアガリでトップ目からさらにリードを広げる。
そんな仲林に迫ったのがたろう。ここまでセミファイナルの2戦に出てラスラスという苦い結果に終わっており、このまま負けるわけにはいかない。
南3局にはリーチツモタンヤオピンフ裏の2000-4000を仲林に親かぶりさせ、
オーラスはトップ争い・3着争いの構図が明確になった。
誰しもがアガりたい状況で、最初のテンパイは白鳥。カンをチーして、一気通貫の役がつくペン待ちテンパイ。チーム状況的にトップが欲しかった試合だが、ここは最悪のラスを回避すべく最善を尽くす。
仲林としては、白鳥が1000点なら最後まで面倒を見たい。ドラを手から切っている白鳥の手は安そうだ。ただ、赤がある麻雀の場合、赤が1枚入っているだけで2000点となり、たろうにトップを譲り渡すことになる。軽々にアシストとはいけず、自身の手も苦しいので、ここは守備駒を消費して安全策。
そこに滝沢からリーチがかかった。このリーチは、全員が歓迎できない。
白鳥としては、滝沢に親リーチをツモられようと放銃しようとおそらくいったんはラス落ちするが、次局に再逆転のチャンスは残る。一方で待ち牌のが滝沢の現物、親に打つよりはと脇の2人から出やすい牌ということで、アガリの期待もあった。それゆえに一発目に引いたをプッシュ。
よくないときは、得てしてこういうもの。が一発放銃となり、リーチ一発赤の7700の失点。これで滝沢と白鳥の順位が入れ替わった。
第2ラウンド。本場がついたことで、追うたろうの条件はさらに軽くなっている。逃げる仲林は1メンツこそあるものの、まだアガリ形が見えるほどではない。
一方のたろうは2巡目にして形上は1シャンテンになったが、のトイツでゆったり構える。このままストレートにテンパイしてリーチのみ1300は1600では同点トップ止まり。これだけ僅差なら単独トップ狙い、そのためにはタンヤオかを使いたい。