侵掠すること火の如く
〜二階堂亜樹の大仕事
文・千嶋辰治【火曜臨時ライター】2024年4月30日
第2試合
東家 園田賢(赤坂ドリブンズ)
南家 白鳥翔(渋谷ABEMAS)
西家 鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家 二階堂亜樹(EX風林火山)
風林火山とABEMASはこのゲームがセミファイナルシリーズの最終戦。
パイレーツと風林火山の首位攻防戦も見逃せないが、ドリブンズとABEMASのボーダーラインを巡る争いも注目の的。
四者の思惑が交錯する終盤戦は、17局を数えるロングゲームになった。
東3局2本場。
パイレーツと激しい首位争いを演じている風林火山が反撃。
リーチ一発ツモピンフ赤ウラのハネ満和了。
この和了をきっかけに亜樹が大爆発する。
続く東4局の親番。
比較的まとまった材料を得た亜樹だったが、たった5巡の間に、
ドラを2枚引き入れてこのテンパイに手牌が大化け。
「ドラのをアンカン出来るように切りリーチする人もいると思うが、が2枚切れていてが山にいるかもしれないということと、仮に裏目のを引いても、が2枚切れなのでが打ち出されるかもしれないと思って…。」
対局後にこう語ったとおり、亜樹はの暗刻には手をかけずに、変則2面チャンの待ちでリーチに踏み切った。
手をかけなかった暗刻のがカンツとなり、ただでさえ怖い親リーチの威力が倍増。
長いレギュラーシーズンなら、あるいは亜樹の一人旅となるかもしれない場面だが、
ファイナル進出へ後が無いABEMAS白鳥、で追いついて亜樹へ宣戦布告。
ボーダーラインにいるドリブンズの園田が4番手。
白鳥は自分が得点を叩きさえすれば奇跡の逆転が見えてくる並びとなっていることもあって、ここは勝負の一手だ。
そして、白鳥の待ちは山に6枚残り。
ABEMAS、奇跡の逆転への布石となるリーチだったのだが。
白鳥の手には無情にも亜樹のロン牌。
倒された手を見て激痛が走るのだが…
さらに裏ドラにはアンカンしたと!
リーチドラ3ウラ5で親倍満の放銃。
ここでの大量失点は致命的。
ABEMASのファイナル進出が遠く霞んでいく。
一方、ライバルの大量失点で嫌なムードから少しだけ解放された感のある園田。
白鳥へ引導を渡すべく、次局は先制リーチ。
しかし、2局で36,000点の和了を決めている亜樹が抵抗。
カンの仮テンから両面待ちに変化。
躊躇なく園田の先行リーチに追いかけた。
直後の園田。
無情にも一発でつかまされる。