空星きらめと言えば、昨年の神域リーグを席巻した人物である、というのは多くの方が知っていることであろう。
レギュラーシーズンを終えてのスコアは、圧巻の258.8pt。
5試合に出場し、1着4回、3着1回はまさに圧倒的と呼ぶに相応しい結果だった。
チームがゼウスに変わった今年。
開幕戦を任され、そこでもトップを獲得。
今年も、空星きらめなのか。そんな風に言われていたのが、ここ2試合3着でブレーキ。
それと同時に、チームにも暗雲がたちこめていた。
なかなかポイントがプラスにならず、上位から引き離されていく日々。
どうにか、この流れを止めておきたい。
ゼウスのそんな願いは、昨年MVPの空星きらめに託された。
第4節 第2試合
東家 咲乃もこ (チームアキレス)
南家 緑仙 (チームヘラクレス)
西家 空星きらめ(チームゼウス)
北家 因幡はねる(チームグラディウス)
この試合は、昨年のヘラクレスメンバー+咲乃という面白い組み合わせになった。
東1局
この試合で最初のリードを奪ったのは、第1試合でもトップを獲得した、緑仙だった。
を引き入れてのリーチは、ツモれば3000、6000からの大物手。
こうした高打点の手でも、迷う事なくリーチを打てるようになったのは、緑仙の成長。
親番の咲乃はタンヤオの仕掛けを入れていたが、当たり牌のを掴んで撤退。
流石の守備力を見せる。
止められても、ツモってしまえば関係ないとばかりに、緑仙の力強いツモ。
3000、6000の加点で、連続トップへ邁進する。
しかしこの3000、6000は、これから始まる高打点オンパレードの序章に過ぎなかった。
勢いに乗る緑仙は続く東2局。
赤を引き入れて選択。この日解説を務めた鴨神にゅうが「払いが普通だが、払いもある」と解説。
広い三面張のと赤を使ったリャンメン、を固定し、払いが通常だが、456三色という最高目を狙うなら、アリだ、と。
緑仙が選んだのは、払い。
赤が無ければ話は違ったかもしれないが、手の中には既に赤が1枚。
ある程度打点が担保されるのであれば、よりアガリに近い方を選びたい。
を見事引き入れて、三面張のリーチに辿り着いた。
緑仙に好きなようにはさせないと、追いすがるのが咲乃もこ。
出ていくのは赤だが、他に安全牌もない。
であれば、このテンパイは取った方が良い、と勝負に出た。
ここに空星も食らいつく。
緑仙が切ったをチーして、をまずは勝負。
自身も赤とドラが1枚ずつの良い手だ。
当たり牌だったに、をくっつけてテンパイ……!
待ちで追い付いた。
これで、3人テンパイ。
しかしここで、咲乃がを掴んでしまう。
まだ安全牌もそこまで増えておらず、は当たりにくい端牌だ。
これも勝負するかと思いきや。
「やめるか、そろそろ……!」
なんという守備力。これが長年麻雀界の最速最強によって教え込まれた守備力か。
ビタ止めという言葉がふさわしい、スーパーストップ。
緑仙のアガリを阻止することに成功。