「人間離れした人間」渡辺太、過去の自分の集大成たるAIを超えてー【Mリーグ2024-25観戦記 10/22 第2試合】担当記者 #髙倉拓馬

「人間離れした人間」渡辺太

過去の自分の集大成たるAIを超えてー

文・髙倉拓馬【火曜担当ライター】2024年10月22日

 

23時。いつも通り机につき、自分が担当する第2試合をAbemaで追っかけ再生する。

私はリアルタイムで見ることがあまりできず、たいていXで

・その日の4選手とスコア

・試合のターニングポイントとなった局

があらかじめ分かっていた状態で視聴を開始することになる。

そのため、ある程度「こんな風な記事を書くのだろう」と見当がついた状態で観戦をしていることが多い。普段と同じようにXを眺めていると、衝撃的なポストが目に入った。

 

渡辺太、NAGA類似度96.6、悪手0でトップ・・・」

 

NAGAとは、オンライン麻雀「天鳳」で最強となる天鳳位に次ぐ、十段を達成した麻雀AI。麻雀強者の牌譜を学習した集積として作られていて、モデルの1つは渡辺太の牌譜を100%使用して出来ている。この観戦記では、ゆうせーさんがNAGAを用いて検証した記事が大きな注目を浴びていた。

 

…それにしても、いくら自分自身を学習させたとはいえ、この類似度は驚異である。気になった私はさっそくこのポストから解析データを購入し、検証することに。

そしてそのデータを見れば見るほど、

「ミスの無さ」

「人間離れしたガッツ」

さらには

「AI超え」

に、恐れ入るばかりであった。

さあ、読者の皆様も一緒に、「人間離れした人間」渡辺太の世界を見てみよう。

第2試合

東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
西家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
北家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)

 

東1局

配牌。ストレートに【發】から打つ太。

【白】が重なって打【1ピン】。筆者にとってみると、開始1分ですでに難しい世界に突入している。

配牌では

「字牌の重なりよりもカン【2ピン】を残したリーチ手順の方がアガリ率、価値的に良い」

と判断し、【白】が重なった2巡目には

「マンズのホンイツイッツー、678の三色を見て4面子1雀頭を構成すると【1ピン】【3ピン】が不要になる」

と判断してカン【2ピン】を払うということになっている。

要は配牌で字牌を使う構想はあまり無く、【白】が重なった瞬間に方針転換を図ったのである。この構想の切り替え速度はまさに精密機械。

 

この局は高宮が2枚切れのカン【2ピン】でリーチをかけ、

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/