三つ巴のオーラス、
交錯する4者の思惑、渡辺太の悩み…
文・高倉拓馬【火曜担当ライター】2024年12月24日
第1試合
東家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:黒沢咲(TEAM RAIDEN/雷電)
12/24(火)第1試合。
オーラスを迎えた時点で、この点数状況。
オーラス親番、太はこの手牌。
太はトップまで3700点差だが、親のため続行が必須。軽いアガリでは瑞原、松ヶ瀬の再逆転を許すことになるため、ここからそこそこの打点を作らなければならない。
トップ目、南家の瑞原。
太とは3700点差だが、太が自分をまくる際には局が続行しているため、無理に焦りすぎる必要のない立場。
松ヶ瀬とは4100点離れており、テンパイ料では1局逆転されない。
この絶妙な点差を作り出したのが、
南3局、先ほどとあまり変わらない点数状況。
少し打点も欲しくなるが、孤立牌が全て強いためドラのから打って捌き手一点に進め、
絶対に攻めてくるラス目の親、黒沢がいる場面で果敢に3副露し、
なんとしてでも親を連荘しなければならず、副露を使って手を進めていた黒沢から
この1000点のアガリ。
これが、局の消化だけでなく、1局守備の余裕を作り出した非常に大きなアガリとなり、後に戦況を変えることになる。
こちらは西家、3着目松ヶ瀬の手牌。
トップの条件は瑞原から2600点、ツモが1000-2000、出アガリは5200点から。
2着になるためには、
・自分のアガリ
だけではなく、
・太以外がツモ時、500-1000以上なら親被りによって逆転
というのもあるため、2着への上昇は比較的容易。
松ヶ瀬も太のアガリや流局テンパイ時には局が続行するため、この先の進み方によっては2着良しの方針を取ることもあり得る。
松ヶ瀬は東2局の親で4000オールをアガって以降、ほぼ常に守備に回らされ続ける展開。
それでもなんとか粘って、オーラスに条件を残した。
最後に、北家ラス目の黒沢。
条件らしい条件はないため、この手で素点を回復し、被害を最小限に留めたいところ。
タンピン形、345の三色が見える手。
ここからの黒沢の進行が、オーラス各者を悩ませることになる。
早々にテンパイした黒沢だが、待ちはカン。
打点も微妙で巡目もまだ浅く、ここはを打って最大打点を取りに行く選択。
5巡目、太の手牌。
少し考えて打としたが、これは何をポンするかのチェック。
この手は清一色に向かえば、タンヤオかドラが絡んで18000点まで見える。そうなればトップの決定打だ。
、はポンをすれば大したアガリ率の変動なく清一色へ向かうことが出来る。
まだはポンするような手牌ではない。
そうこうしているうちに、黒沢の手牌はこの変貌を見せていた。