難局を乗り越えろ!
瑞原明奈・滝沢和典が
語った南場の攻防。
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2025年1月30日
第1試合
東家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
南家:二階堂亜樹(EX風林火山)
西家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:菅原千瑛(BEAST X)
「難しかったですね」
本日一戦目を終えてのインタビュー。二着だった瑞原・トップだった滝沢からは局面を振り返る度にこの言葉が漏れ出ていた。
東場で亜樹・瑞原・滝沢がそれぞれ和了りを決め、三つ巴の様相を呈してきたこの一戦目。
インタビューで滝沢が振り返ったのは【南1局】、このタンヤオのダマテン。
解説の土田はタンピン変化の強い四連形が二つあるところから、和了らずを選択するのではないかと予想していた。
しかし滝沢の選択は和了。自身でとを切っていてフリテンのリスクがある以上、素直に和了っておくことを選択した。
巡目も進んでしまったが上の、バランスを取った滝沢らしい選択と言えるだろう。
そしてお互いが言及することとなったのが。この【南2局】だ。
まずは滝沢に選択が訪れる。二度受けも残った怪しい形のリャンシャンテンだ。
ここは形を保留する打の六ブロックを選択した。
そして手牌が進んでこの形。一番簡単なのはを切っての目一杯だが、この巡目で手が進めば全員の危険牌を二種以上切らなければいけないリャンシャンテンの目一杯は滝沢の辞書にはないだろう。
というわけで、滝沢の選択は……
打とした。場に高いソウズの二度受けを嫌って高め三種引きでの三色も残した形だ。
と打つと比較的安全な牌二種を後に残しつつ、仕掛けられるタンヤオのイーシャンテンにもなる。しかしそれよりも面前での決まり手を重視したように見える打ち方だろう。
そして大きく局面は動き出す。瑞原が急所から埋めたタンピンドラの聴牌を入れて、リーチで攻め込んでいく。
東1局なら当然リーチの一手なのだが、ここは瑞原が難しかったと語るところ。
自身がトップ目の南2局で親や滝沢の現物にが転がっているため、ここはダマテンで拾いに行く選択も視野にあったとのことだ。
確かにダマテンにしておくと自然に三色手替わりや、赤を引いてのマンガン変化も受け入れることができる。そしてそのまま和了れた時でも目下一番近い亜樹にマンガンツモ+もう1和了りの厳しめの条件を押し付けることも可能だ。
瑞原が恐れていた捲り合い。親の亜樹からドラを切っての追っかけが飛んでくる。
そこに参戦するは滝沢。こちらもを切ってソウズの二度受けを残していれば前巡の亜樹のをチーしてタンヤオの待ちだったところ、567の片アガリ三色という不安が残る形での参戦を余儀なくされた。
瑞原がヤミテンであれば飛び出していたであろうが菅原のもとに収納されていく。
「あの選択どうだったかな~」
そんな思考が瑞原と滝沢二人の脳裏によぎりながら、迎えた天王山。その結末は……
滝沢のもとに舞い降りた!
1000・2000で局面も躱す大きな和了りで親を持ってくる。
その親番、ドラのポンから積極的に仕掛けての12000で一躍トップ目に。
さらに7700は8000の加点でダメ押し。滝沢がリードを築き上げていく。
瑞原とは15000点の差で迎えたのは【南3局】。
ここでも滝沢にイーシャンテンの選択が訪れる。
カンチャンとカンチャンの選択は、切りとなった。
両面変化やリャンカン変化が多いのはの方だが、場を見ると自身の目からが三枚見えていてカンが悪くない。ピンズの場況が悪いということもあり、変化量を無視してもカンに分があると感じての選択だ。