セメントクィーンは伊達じゃない! 勝負所で攻め抜いた清水香織の本領発揮【麻雀最強戦2025 女流タイトルホルダー決戦】観戦記【A卓】文:ヤマサンブラック

セメントクィーンは伊達じゃない!

勝負所で攻め抜いた清水香織の本領発揮

【A卓】担当記者:ヤマサンブラック 2025年9月20日(土)

 

麻雀最強戦「女流タイトルホルダー決戦」A卓に出場するのはこちらの4名。

瑞原明奈(最高位戦日本プロ麻雀協会)

第24期女流最高位。
MリーグではU-NEXT Piratesに所属し、2021-22レギュラーシーズンにおいてMVPも獲得している瑞原は、Xの事前予想では61.2%と圧倒的な支持率を集めた。
6回目の出場となる麻雀最強戦、今回こそファイナル進出なるか?


藤川まゆ(麻将連合)

第11期・第14期将妃。
直近では今年4月に行われた2025女流王座決定戦で優勝している。
全人口の上位2%のみ入れるMENSA会員という高IQの藤川。
発想力豊かな麻雀を見せてくれることに期待したい。


逢川恵夢 (日本プロ麻雀協会)

通算5回の女流雀王にして永世位。
Mリーグでは今期より新チームのEARTH JETSに所属、初登板となる前日の対局ではオーラスで逆転2着と見せ場のある麻雀を打った。
入場時に噴射した両手のアースジェットのごとく、いま最も勢いのある女流プロ雀士と言える。

清水香織 (日本プロ麻雀連盟)

王位や女流桜花など、多くのタイトルを獲得している大ベテラン。
長く第一線で活躍し続ける清水は入場も堂々たるもので、風格を感じる。
最強戦の舞台でも、攻撃的な麻雀でセメントクィーンの貫禄を見せつけて欲しいところだ。

――東場は、主導権を巡るかのような藤川と清水のアクティブな姿勢が目立った。
東4局に逢川が1300・2600をツモるが、いまだ全員が探り合う瀬踏みのような状態で、決め手となるようなアガリは出ていない。

南場に入り、勝負はにわかに動き始める。
南1局、5巡目に藤川が先制リーチを打つ。

役はリーチのみだが【5ソウ】【8ソウ】のリャンメン待ち、ドラの【5ソウ】をツモれば打点も期待できる。
しかしこの【5ソウ】【8ソウ】がなかなかツモれず、巡目が進んでいく。
親の瑞原も、イーシャンテンをキープしている。
11巡目に清水が藤川の現物である【1ピン】を切るがチーテンを取らずスルー、ドラの【5ソウ】を引き、浮いていた【6ソウ】にくっつき打【3ピン】


確かにドラそばの【6ソウ】は勝負しづらいが、連荘が欲しい状況でも【1ピン】にピクリとも反応せずどっしりと構えた瑞原の胆力は見事としか言い様がない。
インタビューでは、仕事と家庭を両立する女性の励みになりたいと語っていた瑞原。
そんな彼女の芯の強さを見た気がする。

12巡目、清水が藤川のスジである【7ソウ】を切った。
瑞原はチー、ノーチャンスの【2ピン】を切り【5マン】【8マン】待ちでテンパイすると、すぐに藤川が【8マン】を掴み放銃。

瑞原は2900点とリーチ棒で3900点の加点となった。

連荘して1本場、瑞原は清水から4200点を出アガる。
この勢いに乗って、瑞原が抜け出すのか?

だが、他の選手たちも黙ってはいない。
南1局2本場、またも藤川が5巡目に先制リーチを打つ。

【2マン】【5マン】待ちのメンタンピン
3着目の藤川だが、この手をアガれば決勝進出へ近づく大きな一歩となるだろう。

しかし、すぐに親の瑞原も追いついた。


カン【7マン】を引き入れ、【4マン】と中のシャンポン待ちのマンズホンイツをテンパイ。藤川の入り目である【4ソウ】をプッシュ。
ドラの【中】は清水と持ち持ちだが、ここからの手替わりもあるホンイツドラドラ、高打点のテンパイだ。

さらに同巡、清水もペン【3ソウ】を引きテンパイした。

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