鈴木優の
局面を変える一打
文・坪川義昭【月曜代打ライター】2025年9月22日
第2試合

昨年、セガサミーフェニックスにあと一歩及ばず連覇を逃したU-NEXT Piratesだが、今シーズンも好発進を決めている。
昨年と同じ布陣で死角なしといったところ。
誰に言わせても、優勝候補筆頭のチームである。
第二試合目にはMリーグ2023-24シーズンでMVPを獲得している『戦闘民族』こと鈴木優が登場となった。

東家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
南家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:竹内元太(セガサミーフェニックス)

東1局
西家の元太が先制リーチを放つ。
が3枚切れてしまって強い待ちとは言えないが、ピンフドラを開局早々にヤミテンとするわけにはいかない。
時間をかけてツモりにいきたいところだ。

北家の白鳥もすぐに追い付き、リーチと出る。
こちらも1枚切れのカン※4sで強い待ちではないものの打点でカバーし、捲り合いに挑んだ。


2軒リーチに挟まれた親の優だが、そう簡単に形を崩すようなことはしない。
片方に現物のを切り、イーシャンテンを維持した。
ここは、戦闘民族ではなくとも同じ選択になるかもしれない。

絶好のカンを引き入れたならば、戦闘開始である。
小気味良いテンポでを叩き切り、3軒目のリーチを放った。

こいつはヤバイ…といった手つきで元太が河に放ったにロンの声がかかる。
二人同時に。

手牌を倒すことが許されたのは白鳥。
捲り合いを制して、まずは5,200点の加点に成功する。
親の優にとっては痛いアタマハネとなってしまった。

東4局
親番を迎えた白鳥の手牌が難しい。
チートイツを維持する※1s切りや切りか、ドラの
を使い切るために
切りか…

チートイツを見切り、メンツ手一本に絞る切りを選択。
仕掛けを強く意識した一打であり、これがこの後の展開にマッチした素晴らしい進行となる。

広いイーシャンテンを経由して、元太が先制リーチと出た。
高目のドラを引きアガって開局の失点を取り返したいところ。


親の白鳥が、宣言牌のをチーしてイーシャンテンに受ける。
あの時に手をかけていなかったら、仕掛けることができなかっただろう。


続け様に元太がツモ切ったもチーをする。
このテンパイが入ったならば、あとは絵が合うまで捲り合いを挑むだけだ。

この2,000オールで高宮を捲り、トップ目に躍り出た。
簡単に捌いているように見えるかもしれないが、なかなか選べない進行であり、牌の巡りも完全に味方に付けている。