てまち・アズマミナミ・
山越貴広・寿(とし)
最強を懸けた、それぞれの物語
【C卓】担当記者:喜多剛士 2025年11月22日(土)
全国アマチュア最強位決定戦 予選C卓
出場選手の紹介
北海道最強位 てまち
北海道最強位を見事に連覇し、全国アマチュア最強位決定戦の舞台に再び登場。 各エリアの出場チケットをコンプリートするなど、全国を股にかけた挑戦を続けてきた。 近年の麻雀最強戦は参加者数が年々増加しており、同一地区での2年連続出場はまさに偉業といえる。
昨年の全国アマチュア最強位決定戦を経験したことで、自身の麻雀に改良の余地を感じたというてまち。
終盤の精度や仕掛けのタイミング、粘り強さを意識しながら1年間研鑽を重ねてきた。
進化を遂げたてまちが、再び全国の舞台でどんな麻雀を見せてくれるのか、その一打に注目が集まる。
近畿最強位 アズマミナミ
2024年、太平洋の向こうから日本へやってきたグローバルな新星・アズマミナミ。
日本に来たばかりで目立ったタイトルこそまだないが、今年出場した麻雀最強戦に魅了され、なんと予選に58回も挑戦。
その情熱が実を結び、6枚の地方最強位決定戦チケットを獲得し、近畿最強位の座を掴み取った。
他の3人と比べれば実績では一歩譲るかもしれない。
しかし、日本でのキャリアは始まったばかり。
未知数の実力と底知れぬ吸収力を秘めたアズマミナミが、この舞台でどんな旋風を巻き起こすのか注目が集まる。
北関東最強位 山越貴広
通算6度の地方最強位獲得という実績は、アマチュア界随一。 2016年には北関東最強位を5連勝で制して、その圧倒的な強さを見せつけた。 2020年の全国アマチュア最強位決定戦では、オーラスの激戦の末に惜しくも敗れたが、試合後の涙のインタビューは多くの視聴者の心を打った。
関西屈指の大会「WEST ONE CUP」でも優勝経験があり、実績・経験ともに申し分なし。
「優勝します。それ以外の言葉はありません」と語るその姿勢は、10年にわたる挑戦の重みを物語る。
アマチュアでありながら、竹書房から『麻雀勝ち確システム』を執筆するなど、理論面でも高い評価を受けている。
佐々木寿人を彷彿とさせる高速の打牌と怒涛のリーチが、今大会でも炸裂するか、6度目の挑戦に注目が集まる。
経営者最強位 寿(とし)
今年新設された「経営者最強位」枠から登場したタイトルホルダー・寿(とし)。 一見すると特別枠の出場に見えるかもしれないが、その実力は折り紙付き。
今年、最高位戦日本プロ麻雀協会のメジャータイトル「發王戦」で優勝、一般予選からの戴冠は史上初の快挙となった。
麻雀最強戦での実績こそまだ少ないが、プロ団体の現役タイトルホルダーがアマチュア最強位決定戦に挑むのは前例がない。プロレベルの打ち筋と冷静な判断力を武器に、寿がこの舞台に新たな風を吹き込む。
「今年は自分の年」その言葉通り、發王位との二冠を狙う挑戦が、いま始まる。
東1局 チートイツか、面子手か、寿の柔軟なる一手
5巡目、寿が
をツモり、手牌はトイツ5組に。ここで選択を迫られる。面子手で進めるなら
を外して両面固定が自然だが、偶数牌のトイツが多いことから、チートイツとの天秤にかけて
を切る選択をした。
この
は234の面子構成に加え、トイツの
を支えるフォロー牌としても機能する。面子手に移行する場合は、
を雀頭に据え、安全度の高い
を切ってタンヤオを狙うルートも見える。状況に応じて自在に構えを変える、寿の柔軟な構想力が光る一手だった。
次巡、
を引いてチートイツテンパイ。2枚切れの
を外してテンパイを取るが、場況不明の1枚切れ
待ち。ここはダマを選択。焦らず、機を待つ。
そしてその機はすぐに訪れる。次巡、
をツモ。直前に山越が切ったばかりの牌で、場に1枚切れ。寿は迷わずリーチを宣言。単騎の
に勝負を託す。
だが、てまちも黙ってはいない。ドラ
をトイツにして![]()
待ちで追っかけリーチ。いきなり火花が散る。
ここで山越が寿のあたり牌の
を引く。場は緊迫するが、山越は「勝ち確システム」を発動。SYSTEM92「2軒リーチに押すな(1シャンテン時)」に従い、
を外して守備に回る。ここで「一枚切れの
くらい…」と安易に放たず、SYSTEM75「トップが欲しいから押すのではなくトップが欲しいから我慢しろ」。親番での冷静な判断が光った。
そして終盤、寿が
をツモ。裏ドラが2枚乗って、リーチ・ツモ・チートイツ・裏2の3000-6000。開局から鮮烈な加点を決めた。
寿はチートイツと面子手の選択に柔軟性があり、見事な一撃。てまちもドラを雀頭にしての追いかけリーチで打点十分だっただけに悔しい。山越は「勝ち確システム」で冷静な守備判断を見せ、東1局から見応えたっぷりの展開となった。
東2局 勝ち確システム発動 山越、反撃の狼煙















