”ほっとした”ドリブンズ鈴木たろうの勝利でボーダー争いがより熾烈に【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/3 第1試合】担当記者 中野巧

”ほっとした”
ドリブンズたろうの
勝利でボーダー争いが
より熾烈に

文・中野巧【火曜担当ライター】2026年2月3日

鈴木たろうってなんでその選択をしたのだろう。

私がたろうの麻雀を初めて見たときに感じたことだ。実績として雀王戦を3連覇など、並外れた実力を持っているのは間違いない。

常人には理解できないこともあるたろうの選択は観ている側をわくわくさせる。たろうの麻雀を「なんで」というポイントを探しながら観ることは、どんな人でも楽しめるのではないだろうか。

先日たろうがトップを目指してリーチ後にドラを見逃したときは思わず声を出して驚いた。その後安めをツモるも裏ドラが乗らず、奇跡の逆転とはならなかったが、観ているものを沸かせた。

第1試合

東家:仲林圭U-NEXT Pirates
南家:阿久津翔太KADOKAWAサクラナイツ
西家:鈴木たろう赤坂ドリブンズ
北家:伊達朱里紗KONAMI麻雀格闘倶楽部

 


本日の試合結果はたろうが彼にしかできないアガリを重ね、仲林とのトップ争いを制した。これでチームは6位のボーダーと約150ポイント差に縮まり、最近調子が悪かったチームにセミファイナル進出の希望を与えた。

2着の仲林は一時は4万点超えのトップも道中でたろうにまくられ、悔しい2着に。昨年の優勝チームも今シーズンは大苦戦中だ。
3着の伊達は数々の仕掛けで場に緊張感を与えるも、自身のアガリに繋がらず3着に。チームは2位のため、そこまで無理にトップを狙う状況でもないのは確か。放銃回数が0であることから、ポイントを持っているチームは様々な選択を獲る余裕がある。そのため、これからの選択も楽しみだ。

4着の阿久津はアガリ回数こそトップのたろうと同じ2回も、テンパイ打牌やリーチ後に持ってきた牌が放銃となることが多かった。先日、行われた鳳凰位決定戦では最年少鳳凰位がかかっていたが、渋谷ABEMS所属の白鳥翔に逆転されてしまう。その負けをこのMリーグで払拭したいところだったが、チームも-530ポイントとかなり苦しい状況に。

ここからはたろうが見せたゼウスの選択をピックアップし、お届けしたい。

南1局2本場 たろうの加カン

 

結果はたろうが1300.2600をアガった局だ。たろうはこの配牌から4巡目に【中】を重ねて、一枚目をポン。その後、6巡目にマンズのリャンメンをチーして、【中】のみ1000点のテンパイを取った。もし【中】を鳴いたときに【發】が2枚切れでなければ、ホンイツをみて進行しただろう。たろうといえば、どんな手でも打点を追求するイメージが強いが、ここはトップの仲林の親番なので、さっと流そうということだろう。

 

その後、ツモ切りが続いた後に鳴いている【中】を引いてきたたろう。さっきの目的は1000点の手だからサっと親を流す、だったからツモ切るかなと思っていたら、「カン」の声。思わず驚きの声を上げてしまったのだが、一般的な考えとたろうの思考を考えたい。

まず1000点の手からはあまりカンしない方がよいとされている。なぜなら新ドラが乗らなかった場合は1000点から1300点と300点しか打点が上昇せず、自分にドラも赤もない状態だとより相手の手にドラがある=打点があがる可能性が高く、打点でいうと分の悪い勝負になるからだ。

これが3900の手だとカンすることで5200点になる場合などは1300点高くなり、実質1ハンアップとなる。以上が、一般的な加カンの知識だが、たろうはどうだろう。

憶測にはなるが、打点を追求するたろうなので、純粋にドラを乗せて、1300から2600や【赤5ピン】を引いての5200など、打点上昇の思惑もあるだろう。もう1つは加カンをしてドラの枚数を増やし、全体的に前のめりな進行をするプレイヤーを増やすことで、自身のアガリ率を上げようと考えたのではないか。自分はすでにリャンメンのテンパイ。相手はまだテンパイしていないことを考えると、引き気味に打たれ、親や本物の手が入った人との一騎打ちを避けたいからだ。親の仲林が【8ピン】を切っていることからも、万が一親が攻めてきた場合、子が親の現物を切って「自分がアガれないなら、親よりもたろうに」という可能性もある。

 

結果は、カンして新ドラを1枚乗せ、リンシャンツモ。1000点から5200点のアガリとまさにゼウスの選択をみせてくれた。

この試合でレギュラーシーズンの試合、3/4が終了した。残すは30戦。一般的に考えると30戦で多くてもプラス300できるかどうか。相手チームのマイナスも加味すると400~500くらいの差はひっくり返る可能性があるだろう。ここからは1戦ごとの重みがどんどん増してくるので、あたかも自分がチームメイトの1人かのように熱い応援をしていきたい。

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