MリーグWEEKLYダイジェスト
2022年10月3日〜10月7日
先週1週間のMリーグの戦いを振り返る「週間Mリーグ」。Mリーグ2022-23シーズン開幕週では、いきなりの役満炸裂を含め、見応えのある戦いが数多く繰り広げられた。
■10月3日
対戦カード:KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
開幕戦は魚谷侑未(フェニックス)が優位に試合を進める中、佐々木寿人(麻雀格闘倶楽部)が萩原聖人(雷電)のツモり四暗刻リーチを粉砕するガラクタリーチを炸裂させて逆転する。しかしアガリトップのオーラスで親の優に放銃してしまい、開幕戦は魚谷が勝利を収めた。注目された優のデビュー戦は、箱下の4位という厳しい結果となった。
1位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)+60.4
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+18.2
3位 萩原聖人(TEAM雷電)▲17.1
4位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲61.5
【観戦記】
熱狂の幕が上がる 新Mリーガー鈴木優 苦難を乗り越え初勝利を掴むことはできるか?(江嵜晋之介)
第2試合
第2試合は昨シーズンのMVP、瑞原明奈(パイレーツ)が開幕6000オールを決める。そのままトップで勝ちきるかと思いきや、南2局に伊達朱里紗(麻雀格闘倶楽部)が四暗刻ツモ! 昨シーズンは1度しか出なかった役満を開幕初日に決めるという離れ業に、この日行われたPV会場も大いに盛り上がった。
1位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+78.8
2位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+14.9
3位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲35.8
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲57.9
【観戦記】
伊達朱里紗のインパクトは 伊達朱里紗が塗り替える 開幕日の熱狂に華を添えた衝撃の四暗刻(徳岡明信)
■10月4日
対戦カード:赤坂ドリブンズ・EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS
第1試合
この試合では、園田賢(ドリブンズ)が序盤からアガリを重ね、リードを広げていく。終盤には他3者の猛追を受け、オーラスでは松本に逆転条件をクリアする可能性のあるリーチを打たれるが、つかんだロン牌をしっかりと止めて回りきり、流局で逃げ切り。チーム初戦をトップで飾った。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+57.3
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+6.6
3位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲16.6
4位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲47.3
【観戦記】
やるっきゃない! 気合と期待値の狭間で揺れる園田賢 5年目の覚醒(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
この試合の注目は、選手としてのMリーグデビュー戦となる渋川難波(サクラナイツ)。序盤から苦戦して一時は4番手まで沈むものの、終盤に連続で満貫のアガリを決め、2位で試合を終えた。トップ獲得は、東2局でリーチピンフ赤裏3のハネ満を決めた日向藍子ABEMAS)。
1位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+57.7
2位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+10.7
3位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲23.1
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲45.3
【観戦記】
渋川難波は本当に人読みを重視しないのか?(越野智紀)
■10月6日
対戦カード:赤坂ドリブンズ・EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電
第1試合
序盤から高打点が飛び交う激しい打ち合いを制したのは、松ヶ瀬隆弥(風林火山)。南3局では瀬戸熊直樹(雷電)のリーチに押し切ってチンイツを直撃し、連敗スタートとなったチームにうれしい初勝利を持ち帰った。丸山奏子(ドリブンズ)は乱打戦に巻き込まれて大きなラスとなるも、ツモ番なしリーチなどで見せ場を作った。
1位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+71.2
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+24.2
3位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲9.4
4位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)▲86.0
【観戦記】
胸の炎は消さないぞ! 赤坂ドリブンズ丸山奏子 は「なんなん!?」と叫びたい(ゆうせー)
第2試合
開幕から3試合連対がなく苦戦していたTEAM雷電だったが、この試合では黒沢咲(雷電)が躍動。南場で3回の満貫をいずれもリーチで仕留める、門前派の「セレブ麻雀」でチーム初トップを獲得した。この試合が出場2戦目となった二階堂瑠美(風林火山)は初戦に続くラス、厳しいスタートとなってしまっている。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+68.3
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+13.7
3位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲10.0
4位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲72.0
【観戦記】
アガリの花よ、咲き誇れ 黒沢咲の『セレブ麻雀』が、サンダーロードを明るく照らす(東川亮)
■10月7日
対戦カード:KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
この試合がデビュー戦となった仲林圭(パイレーツ)が、開局早々ハネ満のアガリを決めてリードを広げる。しかし南場に入り、内川幸太郎(サクラナイツ)が高打点のアガリを立て続けに決めて逆転。大トップで、個人・チーム共に今シーズン初勝利を飾った。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+79.6
2位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+10.2
3位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲25.4
4位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲64.4
【観戦記】
鋭い読みと緻密なバランス 仲林圭はやっぱり強い(東川亮)
第2試合
多井隆晴(ABEMAS)・小林剛(パイレーツ)・堀慎吾(サクラナイツ)と、Mリーグでも最強候補としてしばしば名前が挙がる3名が顔をそろえた一戦。多くのロンアガリが生まれた激しい一戦となった中で、序盤に苦戦した多井が親番に連続でチートイツを小林からアガるなどして加点し、トップを獲得した。一時は箱下寸前まで沈んだ小林も、最終的には3位で試合を終えている。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+57.5
2位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+7.3
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲18.0
4位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲46.8
【観戦記】
小さな積み重ねに、夢をのせて── 頼れる船長・小林剛が選んだ航路の先に待っていたモノ(後藤哲冶)
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■10/3-7の結果
開幕週の勝ち頭は、4戦全連対でポイントを積み重ねたKONAMI麻雀格闘倶楽部。唯一の2勝を挙げた渋谷ABEMASが2位につけている。連続ラスを食らってしまったセガサミーフェニックス、EX風林火山がやや出遅れた格好だ。
■10/10-14の注目ポイント
開幕8戦では7チームがトップを獲得。唯一トップがないU-NEXT Piratesは、まずは早く1勝して上昇ムードをつかみたいところ。また、各選手も初勝利を収めて、気分良くシーズンを戦っていきたい気持ちは強いだろう。
選手個々で見ると、32選手中、唯一出場がないのが勝又健志(風林火山)。昨シーズンは開幕3週目まで出場がなかったが、今シーズンの起用法はどのようになるのか。また、新加入3選手の中で誰が最初に勝ち星を得るのかも興味深い。いずれも実力者で対局には見どころあり、次戦の戦いぶりは要注目だ。
なお、10月11日は近藤誠一(フェニックス)が伝説となった手順で大三元をアガった日。当日はフェニックスの試合があるが、近藤の出場はいかに。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。