麻雀最強戦2019
男子プレミアトーナメント
「恐れ知らずの打撃戦」A卓
経験の下石&古橋か、
勢いの厚谷&山田か…
一皮むけた若手の台頭
【A卓】担当記者:危険な鬼太郎 2019年6月30日(日)
最強戦のルールは半荘たった一回のルール。その中で敗者と勝者を決めなければいけない残酷なルールだ。
「半荘一回なんて運だよ」
という人もいる。だが、麻雀の各団体の最高峰のタイトル戦だって10数半荘ぐらいで決めるものがほとんどだ。
半荘一回を勝てない人が数十回打つタイトル戦に勝てるだろうか?私はそう思わない。
今回集まったメンツは「恐れ知らずの打撃戦」というタイトルにふさわしい麻雀を打つことができるのか?注目したい。
東家 厚谷昇汰
南家 古橋崇志
西家 山田学武
北家 下石戟
東1局
いきなり下石戟が仕掛ける。
これもいまやオーソドックスな仕掛けだ。真ん中の牌は他家に持たれているのでトイトイには不向きだ…と言われてきたがそうではない。
逆にこういう中張牌(真ん中の牌)は終盤になればなるほど鳴きやすい。例えば下石はをポンしたがこれで他家はを使いにくくなったはず。ならばにも期待出来て安全牌にもがある。
これを受けて親の厚谷昇汰がをリャンメンチー。
これを鳴くのをもったいないと思う人もいるはずだ。いくら3枚目のとはいえメンゼンで行けば簡単にマンガンが見える。だが、下石の仕掛けが入って自分の後手を感じた場合には逆だ。
このをドラ暗刻の山田からとらえて2900のアガリ。高い打点も自分がアガれなければ話にならない。そういった絶妙なバランスを感じさせてくれた打牌だった。
東1局一本場
今度は放銃した山田学武がお返しとばかりにこのリーチ
チートイドラドラの単騎のリーチだ!
古橋崇志がをポンをして露骨にホンイツに向かっている。だが、は古橋には鳴かれなかった。これは山にあるし、他家からの対子落としも狙える。
そして親の厚谷からとらえる。
これは厚谷からしたら必然の対子落としだ。気にすることは無い。まさにタイトル通りの打撃戦。東1局からバチバチとした展開になると私は予想した。
東2局
親の古橋が先制リーチ。
打点は分からないが、大体リャンメンリーチが予想される手。
それが分かる基準が古橋のの手出しリーチだ。少なくともカンよりも良い待ちで待っている。ドラそばのカンチャンよりも良い待ちは?と言ったら大体リャンメンか下の三色だ。
これに追いついたのが下石。
リーチの一発ではないが、はド無筋。だが、は切る価値がある。古橋のリーチにはリャンメンの無筋が多すぎる。このも数ある無筋の一つなだけの牌だ。
それならば、も切るし切る以上はリーチが見合う。多少長考をしていたのは切りヤミテンを見たのか。これならを引いたときにを振り替えてタンピンのリーチが打てる。
厚谷のリーチを受けながらも競り勝った下石。点数的にはたったの二千点だが、二着勝ち上がりのトーナメントではなかなかリーチに踏み込むのには勇気がいる。
下石は勝ち慣れている打ち手だなと思った。
東3局
下石の選択が冴えわたる。まずはこのリーチ。
を引いてのカンでリーチだ。意外とこのリーチを打てない人もいるのではないか?
下石の考え的には…
「ピンズはもの凄く場に安い。おそらくは山にいる。が出るかツモって裏1来てくれ…!」