熱論!Mリーグ【Mon】
瞬き禁止のMリーグ終盤戦!
和久津の追撃をかわす
船長・小林剛の操縦スキル
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年2月3日
遠山「最近Mリーガーに限らず、麻雀プロが意見を発信しているのを見るね」
里見「noteなどが有名ですね。一打一打の検討や思考法など様々です。本当に貴重でありがたいです」
遠山「人それぞれの考え方がわかって楽しいけど、最近気になることもあるんだよね。まだここに書く勇気ないから来週にしていい?」
里見「何かネタがあるといいですね。なかったらチクッと書いちゃいますか」
筆者はしばらくMリーグを見ていなかった。その理由は決してネット麻雀で負けが込んでいたからではなく、あえていったん離れることで新鮮な気持ちに戻ろうとしたのである。
ちょっと目を離した間にフェニックスが独走状態に入っていた。この成績は1戦目を終えてのスコアだが、フェニックスは400ポイントを超えている。残りの試合数を考えると、少なくとも最下位にはならないと見てよさそうだ。サクラナイツは辛抱強く上位をキープ。U-NEXTパイレーツと麻雀格闘倶楽部はプラス圏内に戻したいところ。いよいよ正念場を迎えた雰囲気だ。
今回は2戦目の模様をお送りする。1戦目は魚谷侑未がトップを獲得。佐々木寿人の裸単騎や沢崎誠の大三元テンパイなど、非常に見応えがあった。魚谷は最近特に充実していて、それがチーム好調の要因のひとつのようだ。
2戦目
東家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
南家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
東3局1本場から。
ここまで大きな点数変動はなく、全員がトップを狙える点差となっている。
内川がカンを引き入れたところ。2巡目でこの手格好なのでよさそうだが
さらにまとまっていたのが和久津だ。4巡目でドラをふたつ抱えてのイーシャンテン。安全牌のを残し、手の内からを切った。
内川から出たこの。
鳴かないイメージが強い和久津だがここはすかさずポンをした。打でひと足先にテンパイを入れる。
さて追いつきたい内川。和久津にひとつポンをされたところで、を持ってきた。を切ればテンパイだ。ただ、待ちはカンと比較的出づらい。
ここはすかさずリーチをかけた。おそらく、和久津の捨て牌にがあったこと、門前派の和久津が鳴いたことで猶予があまりないと読んだのだと推測する。前者は内川の河を見るとそこまで関係ないが、和久津にとってはいらない牌なので、スッと切ってくれるかもしれない。まだ情報がほとんどないのも大きい。
今回はドラと赤があるのでリーチをかける人も多いと思うが、筆者にとってはなるほどの一打だった。
ともあれ卓上は激しくなった。通っていないを押す。和久津の欲しいは山になく、が1枚残っている。
内川の待ちのも山に1枚しかなかった。しばらく膠着したまま場が進んでいき
終盤で親の高宮が襲いかかった。そんなにモタモタしているんならアガっちゃいますよ宣言だ。ふたりから早い段階で攻められると思わず身を引きたくなるが、最後まで形を崩さずにチャンスを待つ姿勢が実を結んだか。
これに内川が捕まった。高宮がリーチ平和ドラ1で5800は6100のアガりで差を広げる。
時を戻そう。最初の高宮の手は内川、和久津のふたりと比べると明らかに速度で劣っていたのだが、これで勝つこともあるのが麻雀の面白さだ。
続いては南2局。トップは小林に移っている。
先程の東3局では荒波に飲まれないように丁寧に対応(攻めてもいた)していたのが印象的だった。ここでドラ3になる嬉しい縦の引き。
しかし打点が高くともアガらないと意味がない。この手をどう操縦するかだが、まずは打とした。が鳴けるのでなるべくチーをできるような構えにしておきたい。そうなるとカンとカンではやはりのほうが狙いやすいといえる。なお、解説の土田浩翔プロは「ツモる場合はカンのほうがアガりやすい」といった旨の発言をしていた。ご参考あれ。
が鳴けていよいよイーシャンテン。ここは打とした。代えても候補に入るが、暗刻として組み立てるほうが好形になりやすい。
トップを狙いたい高宮。を暗槓してすぐにでもリーチをかけられるような状態に持っていく。
槓ドラのが乗って満貫の手になった。両面ふたつのイーシャンテンが残っているので、カンは決して闇雲にやったわけではないことがわかる。東3局1本場を思い返すと、リーチでかっさらってしまいそうな雰囲気プンプンだ。