を引き入れて好形・高打点のイーシャンテン。
今にもハネマン以上に仕上がりそうなこの手。成就すれば一気にトップ目だ。
しかしこの局、またしてもこの男が仕掛けて出る。
多井がを引き入れた同巡、
小林がこの形からをポン。
こちらも今にも満貫に仕上がりそうな手だったが、ロボの選択はポンテンだった。
それにしても小林の間合いの判断は見事の一言だ。東1局も南1局も、平面的に見れば少しもったいないにも思える鳴きだが、他家の手が育っていると見るや冷静に副露で聴牌を入れ、相手の一歩先を行く。
小林はこの手をすぐにこれをツモアガリ。1000・2000のアガリで4着目高宮を突き放す。
【南3局】
気づけば原点付近まで降りてきてしまった多井だが、この局なかなかのチャンス手をもらう。なんとか加点して有利な状況でオーラスを迎えたい所だが……
11巡目、
親番小林からリーチを受けてしまう。
このリーチに満貫放銃でもしようものなら一気にトップ争いからラス争いをする立場に転落してしまう。しかし自分の手も勝負形。リスク承知で攻め込みたい場面だったが……
14巡目を迎えてもまだテンパイしない。
しかも場にが3枚、が4枚見えてしまった。この手の価値は激減してしまったと言っていいだろう。しかもイーシャンテン維持のために打ちだす牌はドラ跨ぎの。打ち出すリスクは高いと言っていいだろう。
多井の手に立直の現物はないが小林の河にはが切れている。通っているわけではないが筋のを打つか?多井の選択は……
なんとプッシュだ!
この選択の大きな理由の一つはの安全度が大して高くないことだろう。は通っているが小林のリーチ前の捨て牌にが切られておらず、愚系の待ちリーチが充分にあり得る。更にドラ跨ぎとはいえ一応はのワンチャンス。比較的安全度が高めの牌だ。
であればを押した方がまだマシ、という判断だろう。
この選択が実り多井は見事テンパイを取り切り、トップ目黒沢との点差を縮める事に成功した。
【南3局1本場】
前局見事な判断でテンパイ料をもぎ取った多井に手牌が呼応しただろうか。
4巡目、
赤とドラを従えた先制テンパイ。しかも待ちはとのシャンポン。当然リーチをかける。
時間はかかったがをツモって満貫のアガリ。これで一挙に黒沢を捲ってトップ目に立った。
【南4局】
東場に大きくリードしたものの多井・小林の猛攻の末ついに二着目に陥落した黒沢だったが、ついにオーラス、セレブが動いた。
13巡目、
黒沢テンパイ。ドラは
多井との点差は6800点。リーチ・ツモ・ドラでは足りない。両面に受けて裏ドラに期待するか、それとも高めのでのアガリを期待するか。黒沢の選択は……
やはりというべきか、シャンポンだった。
そして最後のツモ番で……
これをツモ!
黒沢のセレブ麻雀ここにありと言わんばかりの素晴らしい内容でトップを勝ち取った。
一方辛くも二着に抑え込まれた多井。しかし人事は尽くしたであろう。
本日、多井は連投だった。2戦目は多井の選択に注目して見ていこうと思う。
2戦目
西家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
【東1局】
場面は13巡目、黒沢の親リーチを受けてこのイーシャンテン。は一枚切れ、は筋。が7枚切れとはいえ、テンパイ料を重く見るなら通りそうなを切って様子を見たい。1戦目に似たような場面もあったが、ここでの多井は……