また、が残っている点も見逃せない。
雀頭が確定していないこの手牌、の形は雀頭を作るのに適しているため覚えておきたい。
手順がよいというよりは、やなどの一見不要そうに見える牌を残して手牌を広げていくのが非常にうまいなと感じる。
一方こちらは東3局の日向
2巡目にして超チャンス手のイーシャンテンだが、ここから打
もちろんを切ってもを切っても直接の受け入れ枚数は変わらないが、先にを引いた形がべらぼうに広い。
またツモなら345の三色をみて自然にを払うこともできるのではまさに「一見不要に見えるが実は必要な牌」だと言える。
日向は守備と攻撃のバランスを取っていくのが上手な打ち手だと思うが、この局に限っては少し過剰に守備を意識しすぎたように感じる。
少し昔の話になるがレギュラーシーズン10月4日の対局、解説は内川だった。
安全牌を抱えて手狭に打つ日向を見て
「場になじんでないというか・・・うーん。今後は変わると思いますけど」
と少し否定的に解説していた。
内川、日向の麻雀観の違いが如実に表れた2局だったのではないだろうか。
南2局
2着目で迎えた親番でを元気よく一鳴き。
またしても愚形残りの1000点だがお構いなしだ。
前巡に切っているを残してソーズのカンチャンを払ってホンイツやトイトイを見る打ち方もあるが、内川はスピード重視の選択を取った。
絶対に連荘が必要な状況ならまだしも、この僅差の2着目でこの形から白に声が出るのはしっかり場になじんでいる証拠だろう。
この局は魚谷から1500の出アガリ。
南2局1本場
リャンメンターツが2つにトイツが4組。
チートイツが大好きな解説の土田プロは
「を切って様子見・・・」
と言っていたが内川は何を切るだろうか?皆さんも少し考えていただきたい。
キーワードは「手牌を広げる」だ。
正解は!
と答えた方は惜しい、を残しておくとを先に引いたときにもう1枚を切って自然にイッツーを見ることができる。
親番でチートイツは窮屈だし、タンヤオも狙えるということでシュンツ手に照準を絞った。
日向のリーチを受けながら絶好のテンパイにこぎつけた。
残念なことにリーチ宣言牌で放銃となってしまったが、「あの手牌をここまで仕上げるとは!」と驚かずにはいられない一局だった。
一方の日向もダマテンで5200あるがしっかりリーチでアガリをものにした。
この辺り間違えないのはさすがだ。
オーラス
トップは遠くなってしまったため目指すは2着、マンガン直撃かハネマンツモ条件でリーチに踏み切る。
ツモっても裏ドラが必要だし、親の仕掛けに放銃したらラスまで見える。
しかし、「条件ができたならリーチ」いたってシンプルな選択だ。
手牌が開かれたのは1巡後。
リーチ・一発・ツモ・中・赤・ドラでちょうどハネマン。
裏ドラは乗っていなかったが一発で条件を満たして2着浮上。
トップこそ日向に譲ったが、一番目立っていたのは間違いなく内川だろう。
颯爽と引き上げる内川。
ハネマンツモって気分上々かと思いきやどこか不満そうだ。
あのハネマンをアガってこの表情では罰が当たりそうな気もするが、どこか納得のいかないところがあったのだろう。
今回の2着でファイナル進出がぐっと近づいたサクラナイツ。
ファイナルでも大いに暴れていただきたい。