全員の待ちを確認していこう。
矢島……![]()
待ち
醍醐……カン
待ち
むく……カン
待ち
西川……
単騎待ち
……痺れる。全員が危ない筒子待ちだ。矢島と醍醐が
待ちで重複していることに気づいただろうか。
再び卓上に戻そう。西川は
という悶絶したくなるような牌を持ってきた。
醍醐とむくには通るのだが、矢島には通っていない。醍醐が近いうちに
を切っているのだが、当然切ったあとに矢島が動いているのは確認済だろう。
矢島に打つとゲームセットだ。西川は顔を歪ませる。
長考の末、西川は
を切った。「よく耐えた」と実況席。麻雀というのは強者同士で打つとこれほどにもバランスが釣り合うものなのか。なかなか決着が見えないシーソーゲームに、筆者は感動に浸りっぱなしであった。
長かったオーラスもついに結末を迎えた。むくが
をツモって選択となる。
か
かという状況。ただ、
を切ると待ちがフリテンになってしまう。
選ばれたのは
だった。この打ち出された牌を見て、一瞬二人が笑った。しかし一方は瞬時に絶望の縁に立たされることになる。
手牌にカメラが向けられたのは矢島だった。
醍醐はまさかの頭ハネという結果に。これほど劇的な結末は麻雀最強戦の歴史の中でも稀ではないだろうか。この激闘を見られなかった方はぜひ映像で見ていただきたい。
ひりつくような激闘を制した矢島が決勝卓に進出した。振り返ってみると、東4局で見せた得意の混一色が大きかっただろうか。
それにしても長い記事になった。正直、これでもまだまだ足りないほどである。重ねて書くが、まだ見ていない方は視聴を強くオススメしたい。最後まで読んでいただきありがとうございました。

天鳳は万年五段。点数計算がいつまで経っても怪しい。Mリーグをきっかけに麻雀観戦が趣味になった。本業は将棋の中継・観戦記者。将棋ウォーズ六段。














