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文・ゆうせー
月に2回ほど、Mリーグでのファインプレーを、そして時には疑問手を振り返るこの記事。平日に担当させていただいている翌日掲載の観戦記と比べて、打牌選択の背景説明を私に出来る限り丁寧に書いております。
この度、キンマweb note連載からキンマwebでの連載へと変更になりました。
初めて読んでくださる方も、今まで読んでくださっていた方も、何卒よろしくお願いいたします。
さて、今回取り上げるのは、
3/23(月)1戦目のオーラス、南4局1本場。
トップ争いと、3着争いに分かれている状況だ。
条件を確認すると、トップ目近藤と2着目沢崎の差は14600点。沢崎は近藤から満貫直撃か、ハネマンのツモアガリで逆転。
一方、3着目前原と4着目瑞原の差は8600点。瑞原の条件は、5200の直撃か満貫のツモアガリとなっている。
なんとしても水面下から浮上したい瑞原。第一ツモを引き寄せたときの手格好は、
こちらだ。瑞原が初打に選んだのは、
だった。123の三色とドラを活かすことは、ほぼ確定。ならば、役牌&チャンタ、あるいは純チャンをつけることが出来れば、仕掛けての満貫が見込める。急所が多いこの手牌。仕掛けルートに乗れる浮き牌を、多く残した一打だ。
次巡、瑞原が引いたのは、
だった。難しい。どうする。
河に並べたのは、
だ。をアタマとして門前で三色ドラ1という手順も見えてきたこの手。純チャン路線は残しつつ、役牌を一枚外していった。
瑞原、次のツモは、
自風のだった。まだ場に出ていないので、役牌ならばこちらを温存。打。
4巡目に持ってきたのは、
だ。ここもまた悩ましいが、
瑞原は、を切った。は純チャンのタネ。かといって純チャン一直線の打は、門前の三色ドラ1リャンシャンテンであることを考えるとやり過ぎであろう。
は手役には絡まないが、
このようにや、ほかにはを引いたときに良形のターツが出来る。門前で仕上がれば、三色ドラ1でツモか直撃条件となるこの手。リャンメンが出来るのは一歩前進だ。
ここで瑞原は、さらにひと工夫。
このタイミングでを切り出していった。
のトイツを削っても、
++++と、門前三色ドラ1コースの5ブロックは手の内にある。
くどいようだが、残しているは純チャンの素。こちらは引きで価値が出てくる。
そして、このはトイツ落としなので、
次巡に何を引いてもそのままを切ることが出来る。
連打コースは、このようにを引くなどの純チャンが残せる方向で一手進んだ段階でも、まだを手に置くことが出来るのだ。ギリギリまでにくっつけた純チャンの道も見据えられるのが、このトイツ落としのストロングポイント。
絶好のを引いてイーシャンテンとなった瑞原。次にツモったのは、
だ!!これで仕掛けても満貫に出来る!
場をよく見て瑞原は、
を切り出した。は誰にも通っていないが、残した方のは下家沢崎の現物だ。
正確な手順を踏むだけでなく、残す牌の安全度比較も完璧にこなした瑞原。逆転の手が出来上がるまであと少し。
だが、逆転を目論んでいた選手がもう一人いた。