悔やむのは
明日の笑顔が欲しいから
東城りおが
運命に立ち向かった結果
文・後藤哲冶【月曜臨時ライター】2023年1月31日
リーチ判断、という言葉がある。
この僅か4巡目とは思えない東城りおの手牌、点数状況で、読者の皆さんはリーチをするだろうか?
……おそらく、多くの人はリーチをするのではないだろうか。
ピンフ赤ドラ。偶発役が絡まなかった場合最もリーチによる打点上昇の恩恵が大きいとされる手牌。
トップ目であることを鑑みても、これさえ決めてしまえばトップがほぼ確実なものになると思えば、リーチが多数派になるだろう。待ちも優秀だ。
実際に、東城もリーチを打った。
結果は、2着目の寿人への8000放銃。
※テロップミスで3900になっているが、実際は8000
この局、東城の配牌は恵まれていた。
配牌だけでなく、ツモも。狙い通りを重ねての、待ちリーチ。
東城に選択の余地はほぼ無く、そして所謂ミスと言われるようなことはなかった。
それでも、こうして最悪の結果になることがある。
配牌が良い選手が、必ずしも勝てるゲームではないのも、麻雀の面白くて残酷な所だ。
だからこそ、反省するのは他の選択。トップを取るために、もっとできたことはなかったか……。
トッププロ達はそんな出口のない迷路を彷徨い、それでも確かに歩き続けている。
1月30日 第2試合
東家 鈴木優 (U-NEXT Pirates)
南家 東城りお (セガサミーフェニックス)
西家 村上淳 (赤坂ドリブンズ)
北家 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
「ロン、12000」
チームポイントランキング7位と8位で苦しむセガサミーフェニックスと赤阪ドリブンズ。
その2チームの明暗がはっきり分かれる形。
先制リーチを打った村上が無情にも放銃。とはいえ、東城もチーム状況を考えればこの手は譲れない。
まずは東城がリードを取る。
東2局は寿人が優から2000点をアガって、東3局。
東城の勢いは止まらない。
ここも絶好のを引いて一気通貫の完成。畳みかけるようにこれもリーチに出れば。
あっさりとツモアガって3000,6000。
ダマでも十分に展開を有利に進められる手だが、点棒は稼げる時に稼ぐ。
苦しいチーム状況を救うため、東城が点棒を積み重ねていく。
東4局
同じく……いや、フェニックス以上に厳しいドリブンズ村上も、必死にもがく。
ドラ3の決死のリーチを放つも――
実らない。
あと1枚、村上の元に牌がやってきてくれない。
迎えた1本場。
実はこのが、寿人の手牌に対子であった。
対子落としの可能性もあるが故に、実況の日吉プロは「寿人の危ないですよ! 」と注意喚起するも、解説の土田プロは「いや、出ないです」とどこか確信めいた発言。