オーラス全員集合！勝者・前田直哉も10年老ける、稀に見る僅差の激闘　麻雀最強戦2020「鉄壁のディフェンスマスター決戦！」観戦記【決勝卓】

そのに前田が飛びついた。打でなんと近藤と同じ待ちに。最後はこの激闘にふさわしい、同じ待ちでのテンパイ勝負となった。どちらが先に引くか。山にはあと４枚。

しかし麻雀の神様は第三のルートを選んだ。近藤の捨てたをじっと見たのは仲林。

チーをすればテンパイ。しかし打では放銃してしまう。

少考して勝負していった。アガりやすさであれば当然の選択だが、これが無情にも放銃となってしまった。ん？どちらに。

前田だ。そう、仲林からなので、頭ハネで近藤の勝負手をかわすことに成功したのだった。3900点に加え、近藤のリーチ棒ももぎ取る。

これで前田がまた半歩抜け出した。他力ではなく自らの力で勝利を掴もうという姿勢が功を奏した結果である。筆者がずっと使いたかった『攻撃は最大の防御』という言葉をここで使用させていただく。

オーラス１本場も近藤が満貫の手を作り（をポンしている）最後まで前田を追い詰めたが

あと一歩及ばず。とはいえラスト数巡の筒子引きラッシュは熱かった。最後の最後まで我々を魅了させてくれた。

前田の手が伏せられ、激闘に終止符が打たれた。

激闘を制し、前田がファイナルに進出。この一局はあまりにも濃密で、全員がトップに立ってもおかしくない戦いだったが、その中でも前田の勝ちをもぎ取ろうという姿勢が目立っていた。これほどの好勝負はなかなか見られないのではないか。ファイナルでの前田の戦いぶりにも注目したい。二度目の最強位も十分に可能性があるだろう。