コツコツ上がって、
ガッチリ守る!
「ミスター金曜日」
内川幸太郎の華麗なる半荘
文・真中彰司【金曜担当ライター】2020年12月25日
第2試合
東家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
北家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)

2020年のMリーグは今日が最終日。どのチームも、勝利して気持ちよく年末を迎えたいのは間違いない。チームに勝利を持ち帰るサンタクロースになれるのはただ1人だ。
東1局

北家の内川の手が早い。が対子で5ブロックが決まっているため、安全牌の
を抱えた。

すぐにが出てポンテン。

をツモって500-1000。電光石火のアガリを決めた。

ドラが対子だった白鳥の大物手を流すことに成功した。
東2局

続く東2局では、1枚切れのの対子か
のターツ選択。

内川は落としを選択。
を先に払い、受け入れが広がる
も先に打って安全度の高い
を残した。

これまたすぐにをツモって300-500のアガリ。

白鳥は再びチャンス手を流されてしまった。
東3局

東3局は先ほどとは違い、門前リーチで高打点が狙えそうな手牌になった。

しかし、親の白鳥から出たをチー。またもコツコツ作戦にシフト。

じっくり門前で進めたい気持ちもあるが、冷静に河を見てみるとこのチーの理由が分かる。
滝沢と和久津が序盤にを切っていたのだ。

序盤にを切っている打ち手は、
を手の内に抱えていることが多い。
しかもこの局はドラがであるため、
はドラ表に1枚見えている。

つまり、白鳥から打ち出されたは、実質4枚目の
だったのだ。そして
は残り2枚。上がるならこの
は絶対に鳴くべき牌だ。

チーでテンパイを入れると、白鳥に浮いていたを討ち取って3900点のアガリ。
白鳥としてはより先に
を切っていれば放銃を回避できたかもしれない。自身の手が整っていただけに、痛い放銃となった。
南1局

南場でも、内川がアガリを積み上げていく。

待ちの先制リーチで、親の和久津のリーチを受けながらもツモアガリ。打点こそ安いが、確実に相手のチャンス手を潰している。
南2局2本場

ここまで満貫以下のアガリだけで35000点まで稼いだ内川に、ついに大物手のチャンスが到来。

のターツを払う際に、
引きをケアして
から打ち出したのだが、実はこの切り順が後々の布石となった。