降り注ぐ雷の中で…不死鳥と海賊船と格闘俱楽部がつかみ取ろうとした『傷だらけの2着』【Mリーグ2020観戦記3/4】担当記者:ゆうせー

たろうが手牌を倒している!!

リーチ赤赤。7700点のアガリ。

朝倉は、ツモ切りリーチのたろうが愚形待ちであることを読み切り、見逃しを選択。

決着がつきにくいことによる流局続行や、自身のツモアガリに賭けたのだった。

アンコが多く、裏ドラの乗りにくい手牌だったからこその選択。

何度も天鳳でラス回避をしてきている朝倉オリジナルの選択だ。

朝倉は自分の思うままに打てばいいと思う。

今年度は、成績が伴っていないからと他者の目線を気にしながら麻雀を打っていることが多かったように感じる。

もちろん企業やファンを背負っているからこそのものだし、かかる重圧は想像を超えるものだとは思う。朝倉の真面目さ、責任感の強さからくるものであろう。

そして、打った後での打牌の検証は、様々な角度からされるべきであるのも間違いない。

ただ、今年は個性を存分には発揮出来ていないように思える。

Mリーグはチーム戦だが、その場で戦うのは個々の選手だ。そして、各選手にはそれぞれの色がある。

個性的な選手が集まって“チーム”を組んで戦うからこそ、魅力あるチームが出来るのではないだろうか。

この見逃しで見せたような、独創的なアプローチがあるからこそ、朝倉のファンは朝倉の麻雀を好きになったのだと思う。少なくとも私はそうだ。

今局での見逃しや、次の局で見せた打牌選択がきっかけとなって、キレッキレの麻雀オタクだった朝倉が帰ってくることを願う。

朝倉が望みをつないで、続く南4局1本場

6巡目でも厳しい形だ。

、さらなるドラ引き、678三色、チートイツ、そしてソウズの下の場況がいいのでターツのよさも考えて、朝倉は打とした。

そんな中、

たろうがをポン。

さらにをポン。カンのテンパイを入れる。

寿人は、

たろうに打つわけにはいかない。形を崩して受けに回る。

それは近藤も同様だ。寿人の打ったを合わせる。

これを朝倉が仕掛けた!がないのでアガリは見込めないが、テンパイをとれたら大きい!

点棒状況的に寿人や近藤が真っすぐ打てないことを踏まえての頭脳的な仕掛けだ。そして朝倉がテンパイを果たして、もしたろうがノーテンを宣言した場合には近藤をかわして3着終了になる。

朝倉はさらにもチーしてテンパイ!

この局、たろうのアガリは出ずに流局。たろうの手牌は…

開かれた!かわされる心配のない親で、さらに素点を稼ぐのが狙いだ。

下位三人の差が詰まる。

そんな南4局2本場で、

近藤の手牌が伸びる。しかも縦に…!

この時点では山になし。は1枚ずつ。枚数は相当少ない。

だがそんなことは、

近藤誠一には関係がなかった。

瞬く間にツモり四暗刻のテンパイ!!出アガリでも、もちろん2着浮上だ!

これをたろうから見事アガって、激戦は終わった。

 

ドリブンズに特大トップを持ち帰った、たろう。6位との80pt差は大きい。まさに値千金の一勝だ。

たろうの猛攻の中、2着をつかんだ近藤。フェニックスはボーダー争いに踏みとどまった。

後半手が入らなかった寿人は崩れることなく3着を確保。ポイントをゲットするだけがエースの役目ではない。通過できる順位のまま、1戦1戦消化していくのも重要だ。

そして、ラスとなった朝倉。執念の見逃しは見る者の心に刻まれたことだろう。

未曽有の大混戦となったボーダーライン争いに決着がつくまであと一週間。

牌が織り成すドラマを見逃すな。

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