こうして多井が2600は2700オールをツモアガった。
東4局 平等な世界
親番の近藤の配牌がこちら。↓
タンヤオに678の三色まで見える好配牌。
近藤は当然のようにトイツのを打ち出した。
次巡。↓
絶好のツモをツモってを連打。
ここは「のトイツ落としを見せない」という選択肢もあったかと思うが、あえて近藤はを切って周りを牽制した。
さらに手が進んでここから打。↓
が入るとリーチのみになってしまう。
そんな受け入れはこちらから願い下げておいて、678の三色の元であるを残したのだ。
今度は近藤らしい「大きく打つ」麻雀だ。
こうして近藤はテンパイした。↓
理想形にはならなかったが、親でリーチピンフドラ1の先制ができるのであれば御の字だ。
サポーターや仲間の期待を背負い、ツモに力を入れる近藤。
鬼気迫る表情だ。
しかし冒頭に言ったように麻雀は平等で残酷である。
ツモが強い人は存在しないし、気合で置かれている牌を変えることはできない。
近藤の願いは通じず…
流局。
マンガン以上の出ない重苦しい展開がつづくものの、南場の親番で多井が再び2600オールをツモった。
鬼に金棒、多井に点棒とはこのこと。
多井はこれ以降ためた点棒を吐き出すことなく、リードを保ったまま進行する。
南2局2本場 執念の形式テンパイ
「…チー」
たろうの先制リーチに対し、またしても近藤が振り絞るように声を出した。
苦しい仕掛けだ。
この2枚目になるを仕掛けないことにはどうにもならないのだが、愚形含みの3900で立ち向かっていく姿はいかにも近藤らしくない。
…なりふり構っていられる状況ではないのか。
なんとしてでもラスを抜け出さなくてはならない。
こうして近藤は通っていないを打ち出した。
テンパイしないまま迎えた次の場面。↓
フリテン()含みのイーシャンテンである。
はリーチに通っていない。
今のセガサミーフェニックスの状況を示しているような、あまりに苦しい手牌だ。
近藤は一息つき
をプッシュ。
安全牌がの1枚しかないので仕方ないといえば仕方ないのだが、普段の近藤ならこのような危険な状況にならないようにをチーすることはなかったのではないか。
この2着争いをどうしても制したい。
また、近藤はラス親があるから多少放銃してもいい、という計算もあったのかもしれない。
その後をツモって形式テンパイを果たすが…
生牌のをツモってきて
顔をしかめ、頭をかく。
テンパイ料も惜しい点棒状況だが、流局まではまだ先が長い。