残酷なまでに平等な麻雀という世界で、近藤誠一は再び奇跡を起こせるのか【Mリーグ2020観戦記3/9】担当記者:ZERO

こうして多井が2600は2700オールをツモアガった。

 

東4局 平等な世界

親番の近藤の配牌がこちら。↓

タンヤオに678の三色まで見える好配牌。

近藤は当然のようにトイツのを打ち出した。

次巡。↓

絶好のツモをツモってを連打。

ここは「のトイツ落としを見せない」という選択肢もあったかと思うが、あえて近藤はを切って周りを牽制した。

さらに手が進んでここから打。↓

が入るとリーチのみになってしまう。

そんな受け入れはこちらから願い下げておいて、678の三色の元であるを残したのだ。

今度は近藤らしい「大きく打つ」麻雀だ。

こうして近藤はテンパイした。↓

理想形にはならなかったが、親でリーチピンフドラ1の先制ができるのであれば御の字だ。

サポーターや仲間の期待を背負い、ツモに力を入れる近藤。

鬼気迫る表情だ。

しかし冒頭に言ったように麻雀は平等で残酷である。

ツモが強い人は存在しないし、気合で置かれている牌を変えることはできない。

近藤の願いは通じず…

流局。

マンガン以上の出ない重苦しい展開がつづくものの、南場の親番で多井が再び2600オールをツモった。

鬼に金棒、多井に点棒とはこのこと。

多井はこれ以降ためた点棒を吐き出すことなく、リードを保ったまま進行する。

 

南2局2本場 執念の形式テンパイ

「…チー」

たろうの先制リーチに対し、またしても近藤が振り絞るように声を出した。

苦しい仕掛けだ。

この2枚目になるを仕掛けないことにはどうにもならないのだが、愚形含みの3900で立ち向かっていく姿はいかにも近藤らしくない。

…なりふり構っていられる状況ではないのか。

なんとしてでもラスを抜け出さなくてはならない。

こうして近藤は通っていないを打ち出した。

テンパイしないまま迎えた次の場面。↓

フリテン()含みのイーシャンテンである。

はリーチに通っていない。

今のセガサミーフェニックスの状況を示しているような、あまりに苦しい手牌だ。

近藤は一息つき

をプッシュ。

安全牌がの1枚しかないので仕方ないといえば仕方ないのだが、普段の近藤ならこのような危険な状況にならないようにをチーすることはなかったのではないか。

この2着争いをどうしても制したい。

また、近藤はラス親があるから多少放銃してもいい、という計算もあったのかもしれない。

その後をツモって形式テンパイを果たすが…

生牌をツモってきて

顔をしかめ、頭をかく。

テンパイ料も惜しい点棒状況だが、流局まではまだ先が長い。

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