やれることはやった。粘り強く戦い、相手を苦しめたその実力は他チームから恐れられた。
確かに手は尽くしたはずだ。それでも届かないものが、確かにそこに存在した。
何度でも崖っぷちから甦り、熱き不死鳥を見せてくれた千両役者・近藤誠一。
彼もまた、最後まで堂々と戦い抜くジェントルマンであった。
近藤は、うっすらと目に涙を浮かべているように見える。
勝負所での頼もしい連闘、そして大逆転の倍満ツモ。Mリーグの歴史に残る大活躍だった。
そして小林は、清々しい表情でインタビューに応じる。
個人成績3位、ラス回避率1位。申し分ない成績だが、チームとしていまいち波に乗り切れなかった。
徹底した合理的思考と、鉄のメンタルを武器に、来季の復活を誓った。
試合終了直後に背後を振り返る小林。
このとき、小林の目には何が映っていたのだろうか。
仲間の顔か、過去への後悔か、はたまた未来へ向けての航海計画か。
その真相は彼のみぞ知るところ。Mリーグ2020、レギュラーシーズンは、これで終わりを告げた。
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