卓上を支配した堀慎吾! SFという短期戦に潜む、麻雀の悪魔が選手に投げかける重圧!!【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/16】担当記者:渡邊浩史郎

卓上を支配した堀慎吾!

SFという短期戦に潜む、

麻雀の悪魔が選手に

投げかける重圧!!

文・渡邊浩史郎【金曜担当ライター】2021年4月16日

4月16日 文責:渡邉浩史郎

セミファイナルも日程の1/3を終えようとしている。

このファイナルに向けての短期決戦、とにかくスプリントが勝負の鍵を握ると言っていいだろう。となれば少しでも好調な選手を出していきたい。

麻雀の好調不調とは何なのか、一概に言えないものではある。少なくともこのセミファイナルでトップを獲得した選手はラスを引いた選手よりも気持ちに余裕がある、メンタル的に良い状態=好調と考えていいだろう。

一戦目にトップを取った黒沢を連投させて見事に二連勝を獲得したチーム雷電はまさにその戦術を成功させたというわけだ。

さて、そんな中でこの日一戦目はドリブンズ・格闘倶楽部・サクラナイツがセミファイナルでのトップ経験者をぶつけてきた。

ここでの個人連勝はチーム的にも選手的にも大きな糧になるうえに、相手の連勝を潰すという意義も込められている。まさにセミファイナル一つ目の山場といっていいだろう。

【東1局】

開幕、先制したのは松本。下の三色を色濃く見た手牌進行からピンフドラのリーチに辿り着く。

ここにまずは堀が追い付く。【赤5マン】を重ねて打点的に文句なしの両面リーチだ。

そこにすぐに親の高宮からドラを切っての追いかけリーチ!【8ピン】が4枚見え、【5ピン】が1枚見えだがぶつけていった。

この勝負を制したのは堀。親の高宮からリーチ・【發】・赤・ドラ、そして裏ドラが2枚乗ってのハネマンのアガリでいきなり大きなリードをものにする。

【東2局】

あがった堀の配牌。オタ風の【北】3枚だが赤なしの黒い手。ホンイツを見て打【2ソウ】から。

ホンイツにこそならなかったものの、すくすく育ってイーシャンテンに。

次巡、持ってきた【北】をアンカン。新ドラが二枚乗って、これで仕掛けて良しの万全の勝負手に。

【發】を引いて最高の聴牌。【6ピン】が4枚見えているため四暗刻にこそなりにくいが、仮に【7ピン】【9ソウ】を引いてもツモリ四暗刻には受けないであろう。それくらい絶好の【5ピン】【8ピン】待ちのダママンガン。

オタ風【北】アンカンの堀に役が確定している高打点の手が入っている、しかも1枚切れの【8ピン】で当たるとは考えにくいだろう。丸山がイーシャンテンから当然の押しをしたこの【8ピン】が……

堀をさらなる高みへ押し上げるマンガンのアガリに。2局で20000点を超える荒稼ぎだ。

【東3局1本場】

堀と高宮の聴牌流局を挟んで一本場。

堀に爆弾配牌が入る。ドラ暗刻とピンズ三面張。字牌を整理していけば自然とイーシャンテンにこぎつけてそうなAクラスの配牌だ。

字牌整理でイーシャンテンどころか聴牌にまでこぎつける。役なしドラ3、当然リー……

ダマだ!

役なしドラ3。普通ならリーチの一手だが、この手は

タンヤオ変化(【4ピン】【7ピン】のツモだけでなく、上家からのチーもできる形。タンヤオ仕掛けからさらなる多面張変化も)

②良形変化(【6ソウ】【8ソウ】引きで三面張。【5ソウ】引きで五面張。【2ソウ】引きで単騎待ちからの多面張)

③待ちの悪さ(リーチをかけてもそのままでは他家から余りにくく、選ばれにくい=出アガリが期待しにくいカン【7ソウ】待ち。)

④巡目の速さ

と四拍子そろっている。

ツモアガっての4000オールや状況を見たツモ切りリーチの芽を残すため、ここは聴牌を取ってダマにした。

丸山から【7ソウ】が打たれるが、これは役なしで当たれない。丸山の手牌からであれば、もしかしたら一発で【7ソウ】の出アガリがあったかもしれないがそれは仮定の話であり、結果論。

見逃した形となる【7ソウ】を狙ったツモ切りリーチもかけず、聴牌も外さず黙テン続行。堀の中のコンピューターが一打一打叩き出した選択を見せてくれる。

次巡、引いたのは最高の【5ソウ】!!【1ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【6ソウ】【7ソウ】の五面張リーチだ!

山1の聴牌から山8のリーチ。見事にツモリ上げてついに60000点の領域に。

【東4局4本場】

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