卓上を支配した堀慎吾! SFという短期戦に潜む、麻雀の悪魔が選手に投げかける重圧!!【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/16】担当記者:渡邊浩史郎

堀の2900のアガリ、高宮の一人聴牌流局で迎えた丸山の親番。

一矢報いたいところに来たのは赤赤ドラドラの手牌。これをアガリ切れば堀への挑戦権獲得といったところだが……

そうはさせじと動いたのは松本。一枚目の【8ピン】から積極的に両面チーして【白】バック。下三人が競っている今、チーム状況的にも2着確保が最優先。ラス目の丸山の親番をとっとと流そうという算段だ。

カン【3マン】を引いてきた丸山。ここは目一杯の一向聴に取らずに打【1ピン】。瞬間【6ソウ】の横伸びこそ捉えにくくなるが、残した【2ピン】【3ソウ】を軸にタンヤオに寄せていく選択だ。

トップ目の堀は受けに回っている。まだ全員の親番が残っている中、打点が不明な松本の両面チーにまだ放銃もしたくない。ここは先ほど高宮が通した【6マン】を切った。

聴牌が入っている松本が切ったドラの【6ソウ】

これを丸山がポン。向聴数こそ変わらないが全員に圧をかける親のドラポンだ。

この仕掛けを受けた堀は即座に【西】をリリース。松本の風牌で差し込み気味のアシスト狙いに入った。

松本が無筋の【6ピン】を引いてここで撤退。【白】生牌であり丸山の仕掛けをケアしている堀からも高宮からも切られそうにない牌であるということを考えると、ポンテンの可能性がある丸山の仕掛けに勝負できる手牌ではないだろう。

丸山の仕掛けの圧が功を奏して全員を降ろし、山との勝負になったもののここは聴牌止まり。

しかし次局、つないだ親番では無情にも堀のマンガンツモ。

なんと東場は堀のアガリのみ、完全試合も見える展開で南場を迎える。

【南1局】も親の高宮のドラポン聴牌、松本の5巡目聴牌を躱すアガリで堀がリードを広げる。

【南2局】

ここまで苦しい丸山がドラドラの苦しい形ながらも【中】を一鳴き。

しかし3巡目、堀が切った【9ピン】はスルー。親の安牌含みで場況も悪くない両面ターツとなればここは無理には仕掛けない。

またこの仕掛けを受けた堀の一打が面白い。

ここから一旦ブロック数を減らす【4ピン】切り。早そうな切り出しをしている親松本の間四軒である【4ピン】を先に丸山にアシストしておこうという考えだろうか。

 

【9マン】を引いて【6マン】切り。これも親松本の裏筋【6マン】の先切り+丸山へのアシスト。ドラはどうせ切らず、【5マン】を引いた裏目も親の安牌として合わせられることを考えた一打だ。

親の松本が切ったドラの【8マン】を……

丸山がポンして打【4ソウ】。再び松本vs丸山の対決の形となった。

先に聴牌したのは松本。これが丸山の現物でありダマテン

すぐに丸山も聴牌するも、持ってきたのは【4マン】

目の前のラス落ちの脅威を回避する、値千金の1500。堀のパーフェクトゲームを阻止したアガリでもあるが、そんなことは露ほども考えていないだろう。

1本場も堀のマンガン聴牌を阻止する七対子、首の皮一枚すれすれでアガリを物にしていく。

【南2局2本場】

丸山に試練の時が訪れる。

ここから【6ソウ】切りとしたが、ここは【7ソウ】切りがよかったのではないか。

【5ソウ】を引いた時の形が

【2ソウ】【4ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【6ソウ】【7ソウ】 【2ソウ】【4ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【7ソウ】

【7ソウ】切りならば両面が残る。安全度でもまだ【6ソウ】の方が安全そうだ。

微妙ながらも優劣が割とはっきりしている選択、そのわずかな選択のずれが……

最悪の結果を招いてしまう。12000の放銃で箱下に。

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