ラス回避とトップ取りの違いとは? ポイント配分や打ち方の違いを解説:VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第46回】

やっほーい! 儂じゃよー! 今日も元気に3000・6000!
麻雀歴1000年の鴉天狗、千羽黒乃が今週もキンマwebに参上じゃ!

前回のコラムでは「くっつき聴牌」について説明したのじゃ。
「くっつき聴牌」とは、1つの雀頭と3つの面子がすでに完成し、ブロックの足りない形のイーシャンテンのこと。効率よく聴牌するためには浮き牌のくっつきの強さが重要じゃ! とお話したのじゃ!

VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第45回】 聴牌速度がぐーんとアップ!「くっつき聴牌」を使いこなすのじゃ!

今週はとにかく! Mリーグのファイナルシーズンを応援してたのじゃ!
観戦実況配信も2度行い、たくさんの視聴者さんと一緒に激戦を最後まで見届けたのじゃ~🎉🎉🐦!

千羽黒乃同時視聴

1年間続いた2020シーズン、選手の皆さん、運営に携わられた方々、ファンの皆様、素敵な時間を本当にありがとーーじゃ!

ところで、このMリーグをはじめとしたプロの対局や、巷の雀荘で親しまれている麻雀ルールは、1位(トップ)の価値が非常に大きい「トップ取りルール」であることをご存知かのう? それに対し、オンライン麻雀の天鳳や雀魂のルールは4着(ラス)の重みが非常に大きいため、「ラス回避ルール」なんて呼ばれてたりするのじゃ。
この2つのルールは具体的に何が違うか知ってるのじゃ?
というわけで、今週のテーマは「トップ取りルール」「ラス回避ルール」についてじゃ!

ここが違いじゃ! トップ取りとラス回避!

トップ取り・ラス回避と言っても、麻雀のルールそのものが違うわけではないのじゃ。
違うのはただ一点、「終局時の精算の方法」(オンライン麻雀ならもらえる・支払うポイントの配分)だけじゃ!

たとえばこんな持ち点で対局を終えたとき、
1位 40000点
2位 25000点
3位 20000点
4位 15000点
「トップ取りルール」「ラス回避ルール」で、もらえるポイントを計算した表がこちらじゃ!

じゃじゃーん、なんとこんなに違いがあるのじゃ!
トップ取りルールの場合、プラスはほぼトップの総取り! 1位と4位を交互にとってもプラスはどんどん増えてゆくので、いかにしてトップを取るかが大事なルールとなっているのが分かるじゃろう。逆に、3位と4位の間にはあまり差がないのも特徴じゃ。
それに対しラス回避ルールでは、マイナスがほぼラスの総払いじゃ! 3着と4着のマイナスの差がとにかく大きいのがこのルールの特徴となっており、2着のプラスもかなり多くなっておる。そのため、とにかくラスを引かなければ、ポイントは自然と増えてゆくのじゃ。

(オンライン麻雀がこうしたラス回避ルールになったはっきりした理由は分かっていないけど、序盤で大きく点棒を稼いだプレイヤーが出てしまったときに、「3位でも4位でも、マイナスはそんなに変わらないし…」と、劣勢のプレイヤーが対局から退出してしまうことを避けるべく、3位と4位の価値に大きな差をつける必要があったのではないじゃろうか? と儂は考えておる)

ルールによって、打ち方はこう変わる!

このポイント配分の違いによって、打ち方にも違いが生じておる。なかでも最も変わるのは、「他家のリーチに対する押し引き」じゃ!

トップ取りルールの場合は攻撃の比重が高くなるのじゃ。なにしろ、自分がアガらなければトップは取れないからのう。他家からリーチを受けたときにも、自身のアガりが見込めるならば押し返す選択肢が有利に働く場面が多く、チャンス手とみれば二向聴からでも押し返すこともあるくらいじゃ。
また、自分が先制リーチをかけても簡単には他家がオリてくれない場面も増えるのじゃ。

逆に、ラス回避ルールの場合は防御の重要性がより高くなるのじゃ。とにかくラスさえ引かなければプラスが見込めるルールなので、1回の放銃が致命傷となるケースも少なくない。勝算の薄い聴牌とみれば手を崩してでもオリるケースが増え、一向聴以下の手からリーチに対して押し返すとあらば、よっぽど高いか好形かの理由が必要じゃ。

具体例をあげて説明するのじゃ!
たとえば、オーラスにリーチを受けた巡目にこんな聴牌が入った場面。

自分は3着目じゃが、この手をアガればトップ! しかし放銃すると4着になってしまう場面じゃ。リーチ者の現物は豊富にあるので、オリていれば3着のキープはできそうな手。こんなときは、押すのか引くのかどうするのが良いのじゃ?

まずはめくり合いをしたときの結果を場合分けしてみるのじゃ!今回は自分の待ちがカンチャン待ちなので、和了、放銃、対面のツモがそれぞれ1/3ずつの確率とするのじゃ。つまり追っかけリーチをした場合の最終順位は、1位・3位・4位で1/3ずつじゃ!(ものすごくざっくりした確率じゃ!)

確率を求めたら、次はそれぞれのポイント収支から期待値を求めるのじゃ。

トップ取りルールならば
(+40 -20 -30)x1/3=-3.3
ラス回避ルールならば
(+90 +-0 -135)x1/3=-15 じゃな!
とはいえ、ここで重要なのはこの2者の数字をそのまま比較するのではなく(収支と段位ポイントは厳密には違うものなので)、大事なのは「ベタオリしたとき」の数字と比較することじゃ。

ベタオリした場合は3着が確定するものとした場合、それぞれの期待値は以下の通りじゃ。

ここでぴーんときたことじゃろう!
トップ取りルールの場合は「追っかけリーチ:-3.3 > ベタオリ:-20」で追っかけリーチ優位となっているのに対し、ラス回避ルールでは「追っかけリーチ:-15 < ベタオリ:±0」でベタオリ優位となっており、選択による期待値の優劣が、追っかけリーチとベタオリで逆転しているのじゃ!

このように、「うまくいけば1位だけど、失敗すると4位」という場面では、トップ取りルールならば押し有利・ラス回避ルールならばオリの判断の方が有効になることが多いのじゃ。

オンライン麻雀ではじめて麻雀に触れ、これから実際に牌を使った麻雀に挑戦しようと思っている方は普段よりもちょっとだけ押し気味に、リアルの麻雀からオンライン麻雀を打つようになり、ルールの違いに戸惑っている方は少しだけ引き気味に打つようにすれば、きっとより良い成績を収められるようになるはずじゃよ!

今回のまとめじゃ!

・麻雀には大きく分けて「トップ取りルール」と「ラス回避ルール」があるのじゃ!
・「トップ取りルール」は実際に牌を使って遊ぶ場所で浸透したルール、「ラス回避ルール」は主にオンライン麻雀で普及しているルールじゃ。
「トップ取りルール」では押し気味に、「ラス回避ルール」では守備寄りに打つのがコツじゃ!

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