そうすると、次巡にドラのが重なって打。
一気に勝負手となりました。
問題は、は当然ポンするとして、をチーする(バックテンパイをとるか)、をポンするかです。
そうすると、12巡目に上家の仲田プロが打!
チーするか?
日向プロはこれをスルー!
対面の和久津プロと上家の仲田プロに字牌がやや高く、が持たれている可能性があるうえ、の対子落としからのリャンメンチーでは警戒されて出アガリも厳しい、ということがその理由でしょうか?
そして14巡目にをツモって門前テンパイ!
リーチするか?
日向プロの選択はリーチ!
残り巡目も少なく、そもそもアガリ率が低めであるうえ、テンパイした他家からがこぼれれば7700点と、ダマでも打点は十分であるため、ダマの選択もありそうです。
しかし、上記のとおりが他家にもたれている可能性が高く、ダマでも出アガリは厳しそうであること、そうであれば他家にオリてもらって流局連荘の方がマシであること、僥倖のツモアガリの場合に備えて打点を上げておいた方がよいこと、からのリーチ判断となったのでしょうか。
そして最後のツモ番でをチュモあがりの4000オール!
いろいろな選択肢の中から、リーヅモ親方(白鳥プロが命名したものです)こと日向プロが最高打点をものにし、早くも2着争いを大きくリード!
私のリーチ判断~仲田プロの場合~
東1局1本場ドラ
この局は、仲田プロのリーチ判断に注目です。
10巡目、仲田プロにピンフドラ1のテンパイが入ります。
こんなもん当然のリーチやろ、と誰もが思ったその瞬間…
仲田プロの選択はダマ!
「ピンフドラ1はリーチ」なんていうセオリーを仲田プロがしらないわけはなく、ダマテンの理由は、待ちとなるが、自分の目から2枚、が3枚も見えており、待ちの弱さが最大の理由だったと思われます。
ただ、逆に考えると、茅森プロと和久津プロが2人でを切りまくっており、その2人はを持っていなさそうで、親の日向プロが1枚持っていたとしても残り2枚は山にいると考えれば、それほど悪い待ちではないともいえます。
それでもなお、仲田プロがリーチをしなかった理由は、ドラのをツモった場合、ドラとイーペーコーで2ハンアップとなるため、その最高形を逃さないことを考えたのではないでしょうか。後の南3局での仲田プロの手組を見ても、仲田プロは最高形を逃さない選択を重視されているようにみえました。
そして、直後に和久津プロから打たれたで仲田プロが2000は2300点のあがり!
仲田プロのリーチ選択が光る1局となりました。
天才のリーチ判断と乱の発生
東2局0本場ドラ
雀聖・阿佐田哲也は、麻雀というゲームについて、「…大仰なたとえを持ちだせば、過密都市東京のごとく、実に多くのさまざまな要素が混じりあい、もつれあって、言葉などでは収拾がつかない複雑微妙な実体になっている…」(「Aクラス麻雀」)と述べています。
この局は、対局者の選択が混じりあい、もつれあって、まさに収拾がつなかない一局となりました。
この局の最初の注目は11巡目、親の茅森プロの手牌。
をツモって、また誰もがリーチと思ったその矢先…
天才はこれをダマ!
親の3ハンは、リーチの打点上昇効率が最大となるところであり、ちょっとやそっとのアガリ率の低下が見込まれるくらいでは、リーチ判断は覆らないといわれることが多いところですが、天才の判断はダマ!
がドラ表示牌を含めて3枚、が1枚見えており、さらに、他家にもたれている可能性も否定できず、待ちとして弱めであることに加え、現状であればかなり場に放たれやすいと考えられることが茅森プロがダマを選択した理由でしょうか。
そして、この選択が、この局の波乱の結末に導いていきます。
茅森プロ、その次巡にをツモってダマで12000点のテンパイとなります。
まさに天才。
忍者ならぬくノ一茅森プロはさらにダマテンを続行。
そして14巡目、仲田プロが切ったを日向プロがチーしてフリテンながら高めジュンチャンのテンパイ
同巡、和久津イーシャンテンだった和久津プロにもカンのテンパイが入り、ドラ引きの234の三色をみたか、これをダマ。
さらに同巡、フリテン含みのイーシャンテンだった仲田プロがドラのをツモって打として迂回を余儀なくされます。
その次巡の15巡目、唯一、茅森プロの当たり牌を吸収できる仲田プロがをツモって、なんとチートイドラドラ単騎のテンパイ!
そして即当たり牌をつかむ日向プロ!!