あなたは伊達朱里紗になって勝利の水を飲めるか?! 実戦! 伊達朱里紗何切る5選! 【Mリーグ2021観戦記12/16】担当記者:ゆうせー

続く東2局にも、

ドラがトイツのチャンス手が入る。

第2問

Q.ここで伊達は…

①打【1マン】 ②打【7マン】 ③打【8ソウ】

 

 

伊達が切ったのは、

【8ソウ】だ!

第1問、第2問からも分かるように、伊達は5ブロック意識が強い打ち手だと言えよう。

ドラが【4ソウ】なので、伊達はドラが出ていかないように続けて【6ソウ】まで払い切る、

【1マン】【3マン】【3マン】+【6マン】【7マン】【7マン】【7マン】【8マン】(2ブロック)+【4ソウ】【4ソウ】+【6ピン】【8ピン】+余剰牌1枚

という進行を目指したのである。

【1マン】のような6ブロック進行は手牌を目一杯使って打つために、次に安全牌を引いて来たときに持ち替えることが難しい。

ツモによっては崩れてしまう678三色を追うよりも、【6マン】【7マン】【7マン】【7マン】【8マン】の伸びを残しつつ、今、目の前にある5ブロック進行を追った格好だ。

①打【1マン】タンヤオが確定するので悪くない選択だ。また、②打【7マン】【7マン】を連打すると③打【8ソウ】と同じく5ブロック進行となり、678三色も残る。連打した場合は【7マン】周りの好形変化がなくなるが、タンヤオも三色も十分に狙えるので私は打【7マン】を選びそうだ。

その後、攻撃的余剰牌である【4ピン】を引いた伊達は、

【3マン】ポンに続いて【5ピン】をチー。【7マン】【4ソウ】のシャンポン待ちのテンパイを入れ、

テンパイが入っていた下家の松ヶ瀬から【7マン】をロン。タンヤオドラドラ3900のアガリを決めた。

点数申告時に響く、伊達の透き通った声。

そんな伊達は、

次の局に困り顔。

どうやらリーチと仕掛けに挟まれているようである。

第3問

Q.瀬戸熊が【7マン】二鳴き。その後ドラの【8ソウ】もポンしたところに、松ヶ瀬が【3マン】【4ピン】を押してリーチを打ってきた。さらに瀬戸熊はリーチ後に持ってきた【5ソウ】を暗カン。

親番でイーシャンテンの伊達は…

①ワンチャンスの【1ソウ】を押してタンヤオピンフで勝負

②2件の現物【3ソウ】を抜いてベタオリ

【5ソウ】【8ソウ】が4枚見えているので打【6ソウ】としてリャンメン2つのイーシャンテンはキープ

伊達の選択は、

 

②2件の現物【3ソウ】を抜いてベタオリだ!

ワンチャンスの【1ソウ】は松ヶ瀬には通っていない。またノーチャンスの【6ソウ】はション牌で、瀬戸熊にも松ヶ瀬にもシャンポン待ちが残っている。

何より瀬戸熊に【7マン】がポンされているので、【4マン】【7マン】受けのある自身のアガリは厳しい。2件に対して後手を踏んだ伊達は、きちんとオリることで大失点を防いだのだった。

ほどなくして、

瀬戸熊が切った【1ソウ】を、

松ヶ瀬がとらえる。リーチ赤裏、5200のアガリとなった。

鮮やかな見切りで、放銃の危険を凌いだ伊達。1年目にして、このような冷静な立ち回りを我々はもう度も目の当たりにしている。伊達の守備力はもう「定評」となっている。

東4局の、

2件テンパイでの流局と、

村上のこの表情を挟んで、

南1局、伊達が軽快に【西】赤ドラドラの満貫を決めてトップに踊り出る。

南2局は松ヶ瀬が300-500のアガリ。

その松ヶ瀬が、

ダブ【南】をポン。前に出てくる。

対して伊達は、

【7ピン】を引いてテンパイだ!

 

第4問

Q.どうする?

【7マン】を切って残り3枚の【6マン】【9マン】待ちリーチ

【8マン】を切って残り4枚の【7マン】 【8ピン】待ちリーチ

③松ヶ瀬の現物【8マン】を切って【7マン】 【8ピン】待ちダマ

 

伊達が選んだのは、

【7マン】を切って残り3枚の【6マン】【9マン】待ちリーチだ!

【8ピン】は出アガリが効きにくく、誰も使っていないであろう残り1枚の【9マン】を狙った強気の選択だ。「薄くなっている【6マン】【9マン】待ちでトップ目がリーチしてこないだろう」と読ませてアガる意図もあったか。

じっとしていても松ヶ瀬がアガると自身のトップは危ういので、リーチはかける方がいいだろう。待ち取りは難しい。【9マン】狙いももちろんいいが、【9マン】の切れ具合から2枚残りの【7マン】もいい待ちだと感じるのでシャンポン待ちリーチも有力だろう。

いずれにせよ、

勝負に出た伊達。見開いた目で獲物の【6マン】【9マン】を捕らえにいく。

このとき松ヶ瀬は、

なんとダブ【南】ホンイツのテンパイが入っていた。【4ピン】を押して臨戦態勢。

そして、

瀬戸熊にもテンパイが。こちらは高打点タンヤオ【8ピン】単騎待ちだ。

この勝負は、

瀬戸熊から松ヶ瀬への放銃という結末になった。

松ヶ瀬はダブ【南】ホンイツ8000点+伊達からのリーチ棒という大きな収入を得て、トップ目でオーラスを迎えることに。

一方、2着に落ちてしまった伊達。

だが、最後にまたチャンスが巡ってきた。

南4局7巡目。ドラが2枚。逆転が見える手だ。しかし、【5マン】を引いて難しい牌姿に…。

第5問

Q.何切る?(現状でのトップの条件は、村上や瀬戸熊からの出アガリ6400以上、松ヶ瀬からの直撃3200以上、または1000-2000以上のツモ)

【6ピン】 ②【1マン】【7マン】

伊達は意を決して、

【7マン】を切った!

門前での受け入れを最大にして、リーチで勝負を決めようという選択だ。これならツモ【6ピン】【6ソウ】でもテンパイ出来る。

これも難しい。ただ、打【7マン】は枚数という基本に立ち返った良い選択に感じる。

②打【1マン】タンヤオで仕掛けが効くようにはなるが、ツモ【5ピン】【8ピン】時に不満が残る。また、大きなメリットであるドラの【6ソウ】ポンには、【6ソウ】が真ん中の牌であるため強い期待は持てない。あまり推せる選択ではないか。

タンヤオを狙うなら打【6ピン】がいいだろう。①打【6ピン】【6ピン】が1枚切れていて【6ピン】自体の枚数損は少なく、シャンポン受けの相方である【6ソウ】に関しては、ツモ【6ソウ】は打【7マン】、ポン【6ソウ】は打【1マン】として一応のリカバリーが効く。【6マン】チーや場合によっては【5ピン】【8ピン】チーも出来る。

また、ツモ【6マン】満貫が確定しダマで全員からアガれるのも魅力だ。瞬間のテンパイ枚数では打【7マン】に劣るが、総合力の高い一打だ。

伊達は11巡目に、

【6マン】を引き込んでリーチへと打って出る。

伊達が一発でツモったのは、

【8ピン】だ! リーチ一発ツモピンフドラドラ。3000-6000のアガリで逆転トップ!!

男性陣が浮かべていた落胆の表情が印象的であった。

どうだっただろうか? 全5問、伊達の思考を完全にトレースして全問正解された方は、

一緒にウイニング水飲みをお楽しみください。

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