堅実な守備と一撃必殺、インテル多井カテナチオ【Mリーグ2021観戦記1/21】担当記者:越野智紀

これで勢いに乗って一気に強気に攻めに転じるかと思いきや

次局、【北】を仕掛けた黒沢の【赤5ピン】ツモ切りを見て重なる前にと【南】を処理。

浮かれず油断しない多井は、また受けの世界へと帰っていきました。

南3局2本場では序盤の瑞原の捨て牌から警戒を強め、6巡目には中盤以降で受けるための仕込みを開始します。

イタリアサッカーみたいな麻雀を打つ男、カテナチオ多井隆晴

安全牌の【東】切りからの【3マン】切りで瑞原のダマテンを警戒して受けに回りました。

満貫ダマテンを入れていた瑞原は多井にテンパイを看破されたことを察知したらしく、ハネマン狙いのリーチに切り替えようか迷ったと

まるで達人と達人の間合いの計り合いのようなことが卓内で起きていたようです。

結局、内川・黒沢からは余りそうということでダマテンを継続して

連荘を狙った内川から【9ソウ】が出て満貫のアガリ。

瑞原と4,000点差まで詰められた多井はオーラスへ進むと

ここで得意の配牌オリを選択。

「さあ内川さん、二人で幸せになろう」

そう序盤から露骨な数牌連打。

内川にアシストすることを打牌で伝えていきましたが

内川の手はターツが足りてなく、鳴くには少し厳しい状況。

どの数牌も鳴かれなかった多井は

9巡目からアシストを中断。

早いうちから蓄えていた安全牌の出番です。

内川に対して【北】までアシストする案もありましたが、その後にアシスト出来る数牌の種類が少ないことで作戦を変更しました。

状況的にダマテンにしそうな内川と、ダマテンなら満貫以上ありそうな黒沢に対しても警戒をしながらベタ降り開始です。

連荘を歓迎しない3着目の内川が親の瑞原の上家ということもあり、最後は絞ってくれそうというのも多井にとっては好材料と言えました。

多井の想定していたように、捨て牌三段目に入った内川は水も漏らさぬ構えで絞り

瑞原は自力でテンパイすることが出来ず、流局して多井は逃げ切りに成功。

全11局中、受受攻受攻夢受攻受受受と7局で受けていた多井が数少ないチャンスをものにしてトップを獲得。

レギュラーシーズンでの生涯成績も1,000ポイント越えの唯一の領域に戻ってきました。

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