お前の為にチームがあるんじゃねぇ。チームの為にお前がいるんだ。【Mリーグ2021観戦記2／25】担当記者：越野智紀

さらにも手出しされ、白鳥選手の危機の話に戻ります。

滝沢選手の危険度がMAXとなり、心の中で準備していた御立ち台は一旦撤収。

「場に見えていないやマンズの無筋は勘弁してよ」と祈りながら山に手を伸ばし持ってきた牌は

場に１枚切れたでした。

凄く上手く打って入れたテンパイは降りづらいのが人間です。

その押し引きを判断するさい「押し」を支持する情報ばかり集め、「引き」に関する情報を無視または集めようとしない傾向にあります。

多分、確証バイアスと言われるものです。

ただ白鳥選手は上手く打てたことによる思い込みには左右されず、この状況を冷静に分析していました。

（上下の両筋にかかるや良形愚形どちらにもあたりそうなたちが本線に見え、次いで場に１枚も見えていないが対抗。や場に１枚見えのや筋のは三番手以降の危険牌。滝沢さんの手出しでシャンポンの可能性が少し上がったけど、ホンイツやチンイツは変則形の多面待ちも多くて数牌は色んなパターンであたる。次にマンズの無筋を引いたら押しづらいが、現状の待ちは真っ直ぐ攻めそうな親の瑠美さんとマンズのホンイツの滝沢さんからは掴めばすぐに出そうで、小林さんだってマンズよりはソーズを切る可能性が高い。押しても期待値マイナスかもしれないが、降りるよりはマイナスが大きくないはず）

やマンズの無筋以外の牌に対しては山から牌を引く前にある程度の覚悟を決めていた白鳥選手は、少し感じた嫌な雰囲気を振り切ってを勝負しました。

これが滝沢選手への痛すぎる満貫放銃。

３着落ちという結果に関しては

「いやぁもう最悪だホント」と悔しさを滲ませていましたが

テンパイの手順や勝負の選択に関しては納得の表情が出ていました。

１着と３着が入れ替わる形で２着を維持したのが小林選手。

東３局の瑠美選手の仕掛けにドラが固まっていると読み、それを滝沢選手も読めていることを察知すると

ドラが山に薄いと読めている滝沢選手にドラ単騎待ちのリーチは無く、瑠美選手が降りた今ならドラが切れると勝負。

手牌と人とを立体的に読む冷静なプレイでポイントを稼ぎ、その数ポイントの差で２着となりました。

逆転トップの滝沢選手は

マッサージの影響か何かで試合中に腕が痺れていたことを「終始震えていたおかげで四暗刻テンパイの時もバレなくて良かった」とボケるも、やっぱりイケメンは中和されず今日も呪われたままでした。