お前の為に
チームがあるんじゃねぇ。
チームの為に
お前がいるんだ。
文・越野智紀【金曜担当ライター】2022年2月25日
【第1試合】
東家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
西家:小林剛(U-NEXT Pirates)
北家:二階堂瑠美(EX風林火山)
見た目も中身もカッコいいことで有名な滝沢選手は、通り一遍で言われ続けているイケメンという安易な言葉に「ありがたいとは思うのですが」と返しながらも辟易としているように見えます。
頻繁に変顔やボケたりもして中和しようと試みますが「それもまたイケメン」と言われる始末。
これはきっと前世でやらかした何かの影響で、何をやってもイケメンと言われてしまう呪いにかかったのだと思います。可哀想ですね。出来ることなら代わってあげたいですね。
今日も今日とて眉目秀麗な滝沢選手はアガリ1回・放銃0回の3着目で迎えたオーラス。
マンズと字牌に寄った配牌をホンイツ狙いで進行すると
12巡目にテンパイが入ります。
を切ると単騎待ちのホンイツ・チートイツ・赤で出アガリハネ満。
を切るとシャンポン待ちのホンイツ・一盃口・赤でツモればハネ満ですが出アガリは満貫。
トップの白鳥選手とは11,600点差で、ハネ満をアガれば文句なしの逆転トップと考えると単騎のダマテンやシャンポンでのリーチが真っ先に頭に浮かぶ状況でした。
先日の試合で打牌速度の早い佐々木寿人選手が見せた珍しい長考『128秒後の放銃回避』が話題となりましたが、一定のリズムで打つ滝沢選手も長考は少ないタイプ。
その滝沢選手が時間をかけると、
先に挙げた選択肢にはないシャンポンのダマテンに取りました。
この意図を試合後に聞くと
「トップにこだわるならチートイツかシャンポンリーチですが、7位ドリブンズとのポイント差を考慮して2着でも良しの構えでアガリ率を高めることを最優先にしました」
と、滝沢選手らしい返答がきました。
これは試合開始前のチームポイント状況で、セミファイナル進出ボーダーの6位にいるKONAMI麻雀格闘倶楽部は7位の赤坂ドリブンズと325.8ポイント差。
かなり離れていますが直接対決が6試合残っていることを考え、油断は禁物と冷静な対応を見せます。
こう聞くと2着OKの切りダマテンの選択にすんなりと納得しそうになりますが
もう一つ大事なことに、試合開始前の段階で滝沢選手は個人4位。
1位の瑞原選手とは136.3ポイントの差があり、MVPを目指すなら是が非でもトップが欲しいはずなんです。
ここでの選択に個人よりもチームを優先する滝沢選手の姿勢が見えました。
for the team の精神を滝沢選手が見せた直後にトップ目の白鳥選手に危機が訪れます。
この局までの白鳥選手は、序盤苦しんでいたところから
南3局に好形を目指した手順でリーチをかけると
山に4枚残っていたがツモ牌と裏表示牌に出現。
裏ドラ3枚乗せたハネ満で一躍スターダムへとのし上がっていました。
前局のアガリで覚醒した白鳥選手はオーラスアガリトップの局面で二度受けのペンのターツを残してペン払いを敢行。
二度受けを残したままのポンをすると
との間にが舞い降りていました。
は山に4枚残っていて、他家には使いづらい牌という最高のテンパイです。
ここまで完璧な手順を見せた白鳥選手。
もうヒーローインタビューの準備を始めたいところでしたが、3着目でマンズのホンイツと思っていた滝沢選手からドラのが余り