単騎の跳満テンパイから引いた、幻の何切る問題である。
が通っており、が3枚切れで待ちはワンチャンス、の早切れとの切り出しから、シャンポンの待ち頃であるよりはのほうが選びやすく思える。
こうして辿り着いた果ては・・・、
乾坤一擲。
敵陣の、そして視聴者の心へと強烈な楔を打ち込む跳満のツモアガリが待っていた。
いやいや、松崎さんよ。あなたさっきから好き放題言ってるけども。
カンしなかったならハイテイで跳満ツモってみろって、ちょっと乱暴すぎませんかね?
はい。わかります。でもね。
私、観たかったんです。それを。
ハイパー結果論だと鼻で笑われようが、画面の前で腰を浮かせて、雄叫びを上げたかったんですよ。うおおおっ、て。
そりゃ、難易度は高いかもしれませんよ。でもね、私の知ってる二階堂瑠美なら、アガれたと思うんですよ。
不穏な空気に敏感に対応しつつ、ここぞの高打点は逃さない。
繊細なる超巨砲って、実はもう一人いたんですよ! つまり! ここに!
すみません、取り乱しました。
現実とは、あゝ無情。
この試合の行く末は、南2局での満貫放銃が響き、失意のラス。
個人成績でも更にマイナスを重ねる結果となってしまった。
「なるべく普段の対局と同じ打牌をしようとは心掛けてるんだけどね・・・チーム戦って難しい・・・」
EX風林火山が連覇を成し遂げるために必要なもの、それは二階堂瑠美の復調。
これはチームメイトだけでなく、サポーターやファン、つまり武田軍全員の願いなのである。
約二週間が経った3月10日(木)、最終登板となった第1試合オーラス、
アガればトップの七対子リーチ。腕が振れている。
これは実らぬものの、次局にしっかりとアガリを決め、2着を確保。
すると、後に控えし軍師がレギュラーシーズン最終戦を快勝、翌夜の奇跡も引き寄せ、
よもやよもやのチーム順位4位浮上、好流に乗ってのセミファイナル進出となった。
武田軍の皆様、これは希望が持てますね。
他チームの皆様も、完全体に近い武田陣を攻め落としてこその価値ある優勝でございましょう。
さて、野暮ったい解説はここまで。
最後に、私が常日頃から思っていることを付け加えたい。
皆さんの中には、真剣勝負の場で楽しそうに振る舞うことを不謹慎に感じる人がいるだろうか?
表現方法は人それぞれだが、道を究めるにあたっては、楽しむと云う気持ちは忘れないほうがいいと思う。
これまで培ってきた経験や技術を駆使して眼前の局面に挑み、勝利を追求する。
そこに惰性や義務感を伴うよりも、至難を楽しむ高揚感がより良く作用し、それはきっと熱狂を外へ伝えるべく躍動するMリーグとの親和性も高いはずである。
舞台はセミファイナル、そしてファイナルへと続いてゆく。
無理難題を乗り越え、唯一無二のアガリが生まれた瞬間、今後の戦いが一層盛り上がることだろう。
選択に迷ったら、みんながドキドキするほうを選んでほしい。
こんな、無責任の極みが具現化されたような人々の祈りの先に、Mリーグの輝かしい未来が待っていたりするやも知れぬ。
麻雀界の希望を背負いし精鋭たちよ。
太陽と埃の中で苦悩した先に、どうか眩しき明日を見せてほしい。
近づくほど見えぬ真実の先に、栄光を掴め!
以上です。
大変だろうけど、頼みますよ、姉さん。
それ、どういう感情!?
日本プロ麻雀連盟17期生。
現在は対局参加を自粛、筑波嶺の裾野にてひっそりと暮らす初老。
Twitter:@mtzkysfm