天国の小島武夫プロへ捧ぐ
萩原聖人、
結果と内容を両立させた
盤石の戦いで決勝卓へ
【A卓】担当記者:東川亮 2022年5月29日(日)
麻雀最強戦2022「ミスター麻雀カップ」は、2018年5月28日に亡くなられた「ミスター麻雀」小島武夫プロの名を冠した大会。麻雀を愛し、プロとして麻雀の楽しさを広めることに尽力された小島プロについては、ぜひこちらのnoteをご参照いただきたい。
https://note.com/kinmakuroki/n/nf4a3cccd2f3a
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今大会には小島プロにゆかりのある、そしてそれぞれのやり方やフィールドで活躍してきた打ち手がそろった。本記事ではMリーグ・TEAM雷電のメンバー3名が激突した、A卓の模様をお届けする。
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鈴木達也。
日本プロ麻雀協会の頂点「雀王」を4度獲得。鈴木たろう(現:最高位戦日本プロ麻雀協会)と共に「ダブル鈴木」として団体を牽引した打ち手である。彼の麻雀を楽しみにしていた麻雀ファンも多かったはずだ。
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キャッチフレーズは「卓上のファンタジスタ」。2翻役をベースに、手役を作って高打点を狙う打ち筋が持ち味だ。東1局では重なったをツモ切り、
シャンポンの1シャンテンを取らず一気通貫にこだわる。
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次局は3巡目にこの形から切り。シンプルな受け入れではなく、ホンイツや123三色を強く意識した打牌である。
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これが門前ホンイツでテンパイ。アガリまでは至らなかったが、この2局だけで手役派・鈴木達也の健在っぷりが分かるだろう。
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だが、ここから雷電勢の高打点麻雀が炸裂する。東1局2本場、本田がわずか4巡で高目一気通貫、電光石火の3メンチャンリーチ。
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達也の手から高目が打ち出され、裏ドラ1枚でリーチピンフ一気通貫ドラ裏のハネ満。痛い失点となった。
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東2局、ドラドラの手牌をもらった萩原に選択。ピンズかソーズ、どちらかのターツを外すか、あるいは保留の切りか。
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萩原の決断はソーズ払い。は親の現物なのでキープ、
の早い打ち手がいることから、
の感触の良さを見たか。
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実際、ペンも3枚残っていたが、カン
は4枚全てが山にいた。きっちり捉えてのリーチには手応えあり。
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本田の追っかけリーチをものともせずに力強く一発ツモ。リーチ一発ツモピンフドラドラ裏のハネ満は、あまりに鮮やかだった。
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このアガリでトップ目に立った萩原は、ここから絶妙な攻守の押し引きを見せる。
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東3局、先制リーチは黒沢、待ち。
でアガれば三色がつき、萩原を再逆転できる。
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萩原はピンズのチンイツが狙えそうな手で、スジとは言え通っていないは押した。だが、
引きでチンイツへ一歩前進したと思いきや、ノーチャンスの
を切って受けに回る。スジとはいえ生牌の
、無スジの
は、トップ目から勝負する牌ではない、ということだろう。
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流局で迎えた東4局1本場は、愚形ターツを早めに外す進行。引きよりも、
まわりを伸ばしての好形テンパイを狙う。マックスはタンヤオピンフ三色だ。
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ほぼ構想通りに手が伸び、タンヤオピンフドラ1でテンパイ。一手変わり三色なら理想、このままアガってもトップ目からの加点は大きい。
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2番手の黒沢から出て、さらに2位以下を突き放す。萩原は南2局1本場でも黒沢から3900は4200を出アガリし、決勝卓進出を大きく手繰り寄せた。
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南4局、2番手黒沢と3番手本田の点差はわずか400、とにかくアガった方が決勝卓へと進出する。親の達也もそれほど離れてはおらず、2人としてはここで決めてしまいたい。本田が1巡目から自風のをポン、まずは役をつけてアガリを目指す。
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対する黒沢は手牌がかなりまとまっている。親の達也の手は厳しく、2人の勝負に見えた。
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先制テンパイは黒沢、待ちものリャンメン待ちは申し分ない。
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続いて本田もテンパイ。だが、ペン待ちは黒沢と比べてあまりに厳しい。
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実はこのとき、萩原も1シャンテンまではきていた。自分がアガるのはもちろん、立場的には黒沢、本田には倍満まで放銃しても勝ち上がりとなる。状況的には、差し込めるなら差し込む選択肢も考えられなくはなかった。
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ただ、萩原はあまり放銃はしたくなかったという。自分のアガリが難しそうな以上、手を出さずとも2人が決着をつけるならそれでよし、それよりも達也に軽々にテンパイを入れさせかねない牌を打つことを嫌った。
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だからこのも、
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