その直後、親番の勝又がテンパイを入れる。
タンヤオのカン待ち。惜しくも友添のがギリギリ間に合ってしまった。勝又はダマテンを選択。手替わりを待ちつつ他家からこぼれるのを狙う。
決着がついたのは5巡後。
「ロン」
開かれたのは近藤の手。
放銃したのは友添だった。
リーチをかけている友添は3,900点以上の放銃だと敗退となってしまうが…。
開かれた近藤の手はタンヤオのみの1,000点。
このアガりにより近藤・友添の決勝卓進出が決定した。
敗退となった風林火山の2人。
チャンスはあったものの中々ものにできない展開が続いた。特に勝又は東3局の差し込みが結果的に決勝点となってしまった。あの場面でベタオリを選択していたら全く別の展開になっていたかもしれない。
トップ通過の近藤。
自分のスタイルを貫き通し、ファンの期待通り決勝へ駒を進めた。
ファイナルはもちろん、早くまたMリーグで活躍する姿を見たくなった視聴者も多いはずだ。
そして下馬評を覆し、決勝進出を果たした友添。
アガり3回、放銃2回と参加率の高い内容について「愚直な、自分らしい麻雀が打てた」とコメントしていた。
視聴者・金本実行委員長の予想を上回り、1年前の雪辱を果たす大金星を上げた友添だが、入場時のパフォーマンスにも力を入れていた。
対戦相手それぞれに対して書き下ろされた宣言。
「近藤さんより速くアガり」
「勝又さんに読まれてもツモり」
「松ヶ瀬にスッタンぶち当てる!」
誰よりもたくさんアガり、勝又に競り勝った今回の内容なら、3つのうち2つは成し遂げたと言えるだろう。
そして今回雪辱を果たしたものの、成し遂げられなかった最後の1つ。これも近い将来実現する日がくるかもしれない。
そう、1年前に届かなかった大舞台で。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
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