倒れるなら前のめりだが テンパイ手牌は後ろへ倒す 本田朋広、魂のノーテン宣言【Mリーグ2022-23観戦記12／6】担当記者：ZERO/沖中祐也

たしかに場を見てみると字牌が高い。特に対面の河が異常である。
さらにを切ってリーチすると持たれているであろうやも出づらい。

理解はできるのだが、なかなか字牌同士のシャンポン待ちをダマテンには構えられない。
麻雀プロは今の本田のようにポジティブ寄りの打ち手と、亜樹や村上、解説の多井のようにネガティブ寄りの打ち手に分かれる。

私は断然ポジティブ寄りの打ち手なので、とてもじゃないがこの手牌をダマテンには構えられない。

をツモってチャンタ付加。
私には見ることのできない景色を亜樹が突き進んでいく。

テンパイを果たした本田からが打たれて・チャンタ・ドラ１の12000を直撃。
あっというまにトップ目に躍り出た。

カラすぎる本田

南２局、ラス目の村上の親番でまたしても本田が仕掛ける。

自風のをポンして何を切るか。ホンイツのタネであると、ドラのを残してを切るという人も多いのではないだろうか。

しかし本田はひょいとドラのを切った。
さらに

をツモってテンパイした場面。ここでもを切ってホンイツに向かう手もある。
しかし本田はやはり…

を切ってテンパイに取った。

そうしてすぐに1000点のアガリ。
カラい… カラすぎる。味仙の台湾ラーメンよりカラいアガリだ。

なんてことないように見えるけど、私にはなかなか真似できない。苦手分野。
亜樹とはまだ10000点以上離れており、どうしても打点を追いたくなるのだ。

でもどうせ親番が勝負になるし、村上をラスのままドリブンズを最下位に縛り付けたまま局消化することは、雷電のセミファイナル進出率を高めることになる。

先程も言ったとおりポジティブ寄りの打ち手… 言い換えると楽観的だからこそ、このアガリは見た目以上に凄い。
私だけでなくMリーガー… 特に雷電のチームメイトもこの手牌を1000点に終わらせることは絶対にしないだろう。

でもお前はそれでいい。
本田は本田のゲームメイクがあるはずだ。
自由に打ってこい。ただし倒れる時は、前のめりにな。

完全に雷電の一員に溶け込んだ本田の、カラすぎる1000点が印象的だった。

こうして本田のゲームメイク通り、オーラスに

ツモ・イーペーコー・ドラ２の4000オールをツモりトップを再逆転する。

勝負のノーテン

そして迎えたオーラス。
本田は

このテンパイを…

伏せた。
亜樹との点差は2400点差。亜樹がテンパイならトップを捲られてしまう！

しかし亜樹はノーテンでトップを堅守。本田は亜樹のノーテンを見切っていたのだ。
松嶋「伏せた！」
多井「すごい！」
石橋「これはすごい！」

解説陣もTwitterも大熱狂。
たしかに亜樹の挙動はノーテンぽくはあった。

亜樹（下家）は考えての対子落としをして最後も安全そうなを手出し。
たしかにノーテンの可能性は高い。