瀬戸熊の「倒れるなら前のめりに」という助言から、水を得た魚のようにMリーグという大海を泳ぎ回っている。
多井「今はね、瑞原・伊達・松ヶ瀬・本田には逆らわない方がいいんですよ。僕は同卓拒否してますから」
と冗談なんだか本気だかわからない解説が飛び出すほど、本田の勢いは止まらないのだ。
対照的にずっと不調から抜け出せないのが放銃した村上である。
あまりに負けているからか、少しだけ麻雀に揺れが見られるようになってきた。
東4局、本田のリーチに対し
のピンフドラドラのダマテンに構えていた村上。
ここでなんとドラのを切ってのリーチと斬り込んだ。
牌図を見てみよう。
村上としてはが親リーチの現物だからダマテンに構え、ここで危険なを切り出すならリーチ。との比較では先にを切っている分カンが無く、少しだけ放銃率が低い、という判断だったのだと思う。
それにしたって打点の差は覆らない。
そもそも即リーチする場面だったと村上も振り返る。
・即リーチにいかなかったこと
・じゃなくを切ったこと
本人目線でも短期間に2つのミスをおかしたことになる。
でも… 揺れ動いてしまう気持ちもわかる。
悪夢の4トビを含む-384.1ptを記録した昨年に引き続き今年も絶不調。
どうしてもポジティブな未来よりもネガティブな未来のほうが頭をかすめてしまう。
麻雀に流れはないが、人が流れを生むのだ。
今回のリーチも…
めくり合いに負け、本田の12000(リーチ・ピンフ・ドラ・赤)に放銃。
続く一本場でも
ハネマン・倍満を狙ってリーチを打つと…
終盤追っかけてきた本田にまたしても12000の放銃を喫してしまう。(リーチ・ピンフ・ドラ2・赤)
それでも「はい」と返事をして気丈に振る舞い続ける。
牌の巡り合わせはどうしようもない。
打ち手にできることはより良い選択を続けることだけ。
ただ… 一定の結果を求めるには、あまりにも短い… 短すぎるんだ。
麻雀の非常さと無情さを見た、村上の連続放銃だった。
亜樹にしか見ることのできない景色
本田が53200点と抜けて迎えた2本場、さらに
盤石の先制リーチで高みを目指す。
ペンから入るところがいかにも好調者である。ちょっとネガティブな未来を想像してしまうと前巡にを払う打ち手もいるかもしれない。
もう本田の勢いは誰にも止められない。誰もがそう思ったところで追いついたのが
亜樹だった。
を切るかを切るか。
残り枚数が同じなら、より安全なを切る手もあったが…
打点が大差(ピンフとイーペーコーもしくはドラがつく)ということでを切っての追っかけリーチ!
これをツモって2000・4000。(リーチ・ツモ・ピンフ・イーペーコー・赤)
反撃の狼煙を上げる。
これで完全に亜樹と本田のマッチレースとなった。
南1局、親番の亜樹がオリジナルの手順を見せる。
生牌同士のシャンポン待ち。
これをリーチにいかない人がいるだろうか。