136牌の後先に
想いを乗せて
勝又健志が切り込む
人知を超えた読みの領域
文・徳岡明信【月曜担当ライター】2023年1月23日
東家:佐々木寿人 (KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:勝又健志 (EX風林火山)
西家:松本吉弘 (渋谷ABEMAS)
北家:内川幸太郎 (KADOKAWAサクラナイツ)
東1局から3局連続の流局
膠着状態を切り裂いたのはこの男。
親の松本がを颯爽と1鳴き。
供託2本に3本場。まずは供託の回収に動く。供託が溜まれば溜まるほどスピード勝負になり自身の親番が継続し辛くなるからだ。
あっという間のテンパイ。
ここに割って入る男が一人。
魔王、寿人だ。
第1試合はチームメイトの滝沢のトップにより再び首位に返り咲いた。
そのリードを守る事が寿人の指名? いやいや、広げることでしょ。
ドラのを重ねて単騎のチートイツをノータイムでリーチにいく。
この図々しさこそが寿人の持ち味であり強みだ。
待ちの枚数としては松本の待ちと五分の勝負ではあったが…
ここは赤のオマケ付きで松本に軍配があがる。
2900は3800+供託も3本ゲット。
このアガリが、後の激しく熱い戦いの火種になる事とは…。
続く松本の親番。
松本がまたも序盤から仕掛けていく。
今回はマンズの一色手で打点も見えている。
狙い通りにと引き入れカンのチンイツのテンパイ。
と嬉しい手替わりも豊富で
何よりマンズを1枚も余らせずにテンパイできた事が大きい。
寿人の視点からの松本の仕掛けを考察してみよう。
まずマンズの一色手と断定できる要素が少ない。
カン払いのターツ選択はあるもののドラがな事もあり
からのドラのトイツ、またはアンコになったケースもある。
更には前局の仕掛けを見せられている事や、松本の雀風も加味すると仕掛けた打点の
レンジは広い。
もちろんマンズは警戒の1つには入るのだが、
寿人の手格好ぐらいなら、松本の手からマンズが余る前に先にマンズを処理したくなってしまう。
を先切りした寿人は
以降全てツモ切りの松本に対してテンパイ逃しので放銃。
痛恨過ぎる12000は13200。
寿人も対局後のインタビューで珍しく後悔していた。
松本への先打ちのから生まれたこの放銃。
寿人らしくない少し消極的な選択からの放銃。
やはり放銃した本人が一番後悔していた放銃。
静かな立ち上がりだったスタートの試合もこのアガリを皮切りに壮絶なアガリ競争へと一変していくのだった。