悔やむのは　明日の笑顔が欲しいから　東城りおが運命に立ち向かった結果【Mリーグ2022-23観戦記1／30】担当記者:後藤哲冶

同巡、寿人からリーチが飛んでくる。
河が派手すぎる寿人システムチートイツ。
単騎は２枚切れの地獄待ちだ。

そのリーチの一発目に東城が掴んだのが、。
寿人に通っていない牌だ。

東城はここでオリを選択。
ダマテンを選んだのは、この時のため。
染め手が出てくる確率はかなり低いが、それでも万が一がある。

この後２枚切れのを持ってきて、東城はツモ切り。
チートイツを警戒するのであれば、テンパイで無くなった今はこのすらも切らなくていいようには思う。
周りを引いたとしても確実にフリテンテンパイになってしまう故に、粘る意味は薄い。

無情にも切られると。
仮にでリーチと言っていれば、寿人が追っかけリーチを打ってきたかはわからないが、とにかく。

このアガリが生まれることは無かった。
リーチツモチートイツ、1600、3200。
調子を取り戻しつつある魔王はいとも簡単にこの地獄単騎をツモり上げて見せる。

河に無造作に置かれたとを見て、東城は何を思うだろうか。

そして次の局が冒頭に紹介した――

8000点の横移動。
リーチ後の東城が掴んだのは、寿人の当たり牌。

避けられない放銃。悔やむべきではない選択。
しかし残酷にもその放銃が、トップを奪われる決定打になってしまった。

東城は最後までトップを目指したが、最後は優の３位を確保するアガリで決着。

格闘俱楽部寿人は約２ヶ月ぶりのトップ。
インタビューでもほっとしたという内容の言葉があった。

対して村上は厳しい……厳しすぎるラス。
ドリブンズの応援配信で見た村上の姿は、あまりにも胸が苦しくなるものだった。

村上については当サイトで前々回の対局記事や、須田良規プロの素晴らしい記事の方で多分に触れられているのでそちらを是非読んで欲しい。

歓喜か絶望か 挑むは村上淳　一牌の後先に、 魂を燃やせ【Mリーグ2022-23観戦記1／20】

奪い合うのは点棒と人生── 村上淳が礎となったプロの舞台の悲愴なドラマ【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・1月13日】

村上本人も「今日だけは落ち込ませてください」と口にしていた。
また前を向いて歩き出す村上の姿を、多くの人が待ち望み……応援している。

東城はインタビューでも明るい振る舞いが目立つ。
溌剌としていて、麻雀を楽しんでいるのが伝わってくるのが、彼女が多くのファンを魅了している長所なのだと思う。

しかしその東城が、悔しそうに口にしたのはやはり南１局５本場のリーチ判断だった。

あのダマテン選択が、間違っているとは、思わない。
けれど、そうして何か変えられなかったかを振り返ることは、とても重要なこと。
これからの東城にとっても。そして、セガサミーフェニックスにとっても。

東城の笑顔溢れる姿を、もっと見ていたい。
レギュラーシーズンが終わっても、その先まで。