サクラ開花宣言！ 完全なる岡田紗佳の半荘【Mリーグ2022-23観戦記3／7】担当記者：ZERO / 沖中祐也

上家の日向の仕掛けを見てほしい。
ドラのをポン→加カンして、カンもチーしていて、捨て牌がかなり濃い。テンパイしている可能性は高く、ここに12000を放銃したら今座ったばかりのトップの座からずり落ちてしまう。
出ていくも通っていない。
オリる人もいるだろうし、ダマテンに構える人も多いかもしれない。
でもは絶好の待ちだし、打点的にも十分勝負になる。

もちろんリスクはある。
でも麻雀って

そういうもんだろう？
リーチ・ツモ・タンヤオ・赤１の4000は4200オールをアガって亜樹を突き放す。
さらに次局は

場に３枚切れているをツモってピンフ・ツモ・三色の2600は2900オールと止まらない！

さらにさらに次局、

対面の亜樹からリーチが入っているが、こちらもまた受け入れ・打点ともに優秀な手牌。
イケイケでを押していくかと思いきや…

（さっきと違ってトップが盤石となった今、亜樹さんへの放銃はなるべく避けたい）

一旦立ち止まって保留の打。次にをツモってテンパイしたらを勝負する、そして

無筋をツモってきたらオリる、という方針である。
こうして流局し、長い岡田の親が落ちた。

だが岡田の物語は終わりではない。

南３局５本場。

亜樹がキレイなメンタンピン高目三色で先制リーチを打つと、それを受けた岡田。

安全牌はある。（）
だが、岡田はをツモ切った。
どうせ次に安全牌に困るくらいなら、イーシャンテンを維持しながらを開拓しておいた方がいい。
とはいえ、トップ目でライバルのリーチに一発で無筋を切るのはそれなりに覚悟が必要である。

（仮にマンガンを放銃したところでまだ16000以上のリードがある）

思えばこの４年間、岡田にとってチームに貢献できていると実感するシーズンはあまりなかったのかもしれない。
戸惑いしかなかった１年目。
実力を付けつつも結果が伴わなかった２年目・３年目。
３年目にチームは優勝できたし、セミファイナルでトップ２回・２着１回と活躍できて、そういう意味では貢献を実感できたが、それでもレギュラーシーズンでは苦戦していた。

しかし４年目に入り、さらに押し引きの精度が鋭くなったところでようやく牌も応えてくれるようになった。
チームがぎくしゃくしている今、私がやるしかない。

「ツモ、2000/4000は2500/4500」
亜樹のメンタンピン三色という追撃の一手を潰す。
東場は亜樹の独壇場だったが、南場は岡田の完全なるワンマンショーだった。

「これでセミファイナルの進出は決められたのでは」
そう語る岡田の表情は、充実感に満ち溢れていた。

チームにとって、勝ちこそが全ての特効薬なのだ。