美しき攻防の果てに
文・ゆうせー【火曜臨時ライター】2024年10月22日
第1試合
東家:勝又健志(EX風林火山)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東場でイニシアチブをとったのは、
「かの勝又、又勝(つ)のか」
の回文が浸透してきた(私が今作っただけですごめんなさい)、勝又健志だった。
東1局1本場は、
仕掛けている岡田の現物含みである、
待ちでダマに構え、親の満貫をアガることに成功。
勝又の親が落ちた東2局では、
下家の園田が、「手出しでリャンメンターツを捨てて、を打ってきた」ことを確認した勝又。
「好形ターツが余るほど整った手で、しかも安全牌を持つスペースがないほど手が煮詰まっている」と読んで、
「テンパイしていてもおかしくない」と判断し、
「園田の現物絡み」の待ちを、役アリのダマテンとする。
、と押して作り上げた678三色。
園田が勝負手ならマンズはツモ切ってくれる可能性が高いので、勝又はリーチでぶつける手もあったかとは思うが、
いずれにせよ、
メガトン級の大物手をテンパイしていた園田のツモ山に、積まれていたのはだった。
実況松嶋の悲鳴が響く。
松嶋「賢さん!」
松嶋「健志さん!」
アガったのは、健志さん。
三色赤の5200。
「なんなん!?」どころの騒ぎではない。
愕然とする園田。
かたや冷静な勝又。
南場に入っても勝又はリードをキープし、このまま逃げ切る──
に見えた。
南2局、
滝沢のタンピンツモ三色赤、3100-6100が飛び出し、一気に混沌した状態に。
南3局、
ドラのを放つ!
もあるので、のリャンメンで使ってもここで2ハン。と合わせて満貫が確定する手だ。
ドラだからとを引っ張るよりも、ブロックを多くしておいて、カンチャンが埋まったときの自由度を求めた一打だ。
に続いてまで打ち切ることで、最終形としてのの質を上げつつ、他の人へ、
「ドラ含みカンチャンを捨てたぜ! 早いよ早いよー」
と、メッセージと圧力を押し付ける効果もある。
ちなみに、麻雀AI「NAGA」5タイプは、
このような解析となっている。
牌の上に伸びているバーが、最適打牌の可能性、いわゆる推奨度である。