運命の「night」に降臨した桜の「knight　内川幸太郎が振り下ろした無慈悲な剣【Mリーグ2022-23観戦記3／13】担当記者:徳岡明信

園田も同巡で力強く追っかけリーチだ。
リーチのみだが今宵のドリブンズはトップ縛りのような状況だ。
東城のアガリを潰す為に果敢に立ち向かう。
「ツモ」

園田に一回もツモらせる事も無く東城が1発ツモの3000/6000。
まだまだ苦しいがほんの少しだけ光が差した。
このわずかな光を絶やす事は出来ない。

東城の大事な親番の東3局。園田がらしさ全開の仕掛けを放つ。

元気よく自風のをポン。
ドラと赤を使い切っての3900は現実的に見えているが、
今日の園田はそれだけじゃ満足いかないぞ。

東城から出た。

「チー」

では無く、を晒して鳴く。
そして打とした。

3900のシャンポンテンパイを拒否して一気通貫含みのイーシャンテンへとする鳴き。

この牌姿からのトイツ落としが入ると
ブロックが足りている所からのトイツ落としだと想定するので
の食い伸ばしに当たる所(からのチーのや、からのチーの)
は、当たらないと読んでしまう。

他家の読みも外して、高打点にシフトする園田の発想は緊迫するチーム状況の中でも我々を楽しませてくれる。

ただこの仕掛けに対して、

臆する事無くノータイムでドラのを切る東城。

腹のくくり方が尋常ではない。
東城の表情はまさに勝負師の顔だ。

ドラのを前巡に切れた事により捕らえられたテンパイ。

園田からを捕らえて連荘に成功だ。
東城の気迫溢れる1500点のアガリ。
お互いの生き残りに賭けた選択がぶつかり合う見ごたえのある1局であった。

この後、東城が5800点を加点し、流局を挟み東3局4本場。

内川がこの半荘初アガリで長かった東城の親を落とす。

サクラナイツの状況も、ファイナルまでの事を考えるとラスは避けたい。
大人しくしていた桜の騎士が静かに動き出した。

東４局、朝まで連荘したい園田の親番。

早くも内川がチャンタ三色含みのイーシャンテンだ。
しかしもっと強烈な手牌の人が…

本田が3巡目にしてこの形。
ドラのが暗刻でカンチャンと三面張のイーシャンテン。

カンから埋まり待ちは文句無しの三面張だ。
しかし本田の選択はダマテンとした。

やはり今日の本田は打点やトップよりも局進行に重きを置いている。
ラス目の直対相手の親を落とすことが一番の命題だ。
そもそも打点も充分なのでリーチをかけて跳満ツモを狙う事はせずに最後までダマテンを貫いた。