レギュラーシーズン最終日 そしてドリブンズの最終日【Mリーグ2022-23観戦記3/21】担当記者:ZERO / 沖中祐也

 

2役・ホンイツ・ドラ・赤の3000/6000をツモってトップに立つも、南場は白鳥の猛攻が始まり松ヶ瀬を退けた。

松ヶ瀬は2着となり、2戦目も登板するもラスを引きMVPは暫定首位だった伊達の元に輝いたのだ。

1着 白鳥 +74.5
2着 松ヶ瀬+17.1
3着 園田 -30.8
4着 岡田 -60.8

ドリブンズ、最後の一日

この日が今期のドリブンズの最終日になると頭でわかっていたが、4人は認めたくなかった。

昨年のPiratesもそうだが「このメンバーで迎える最後の控室」というのはファンにとってとても悲しいシーンである。

丸山奏子はよく泣く。
追憶のMの取材中にも泣き出してしまったことがあった。
なんなら検討配信中にスパチャが飛んでくるだけで泣いていた。

嬉しいのだ。チームや自分が勝てなくても、変わらずずっと応援してくれる人がいることが。
同時に悔しいのだ。その応援の声に応えたくてもなかなか応えられないもどかしさが。

4年間の経験を経て、成長を実感しているのに結果だけが出ない中で、最後の登板(3/17)に取ったトップは希望の光と言えるのではないか。

来年以降どうなるかはわからないが、ドリブンズファンはこの笑顔をもっとたくさんみたいと思っているだろう。

鈴木たろうは、落とせない親番中のリーチで

いつもと違うモーションでツモった。
日吉は「園田ヅモだ!けんちゃん力を貸してくれよとたろうが祈る!」と実況。
このモーションにドリブンズ全員の祈りを込めて… と、のちに美談になった。

しかし、協会にて何度も死闘を繰り広げてきた木原浩一プロの見解は違った。

「人は極度のプレッシャーがかかると、手に、指先にしびれのようなものがくる。」

おそらく、うまくツモれなかったのだ。
木原プロの推測通り、終盤になるとたろうは

こんなふうに牌を横に置いていた。

「あんな不格好に牌を置くたろうを私は知らない」
と木原プロは語る。

帰属意識を敢えて退ける。
自分のために生きて、自分のために麻雀を打つ。
それはたろうのポリシーのようなものだ。

そんなたろうも5年間変わらない応援を受け、5年間仲間と喜びも悲しみも共有した。
あの自己中心的なたろうの中で、ドリブンズという存在は本人も驚くまでに大きくなっていたのかもしれない。

傍若無人なたろうだけに胸にくるシーンだった。

村上淳は、かつてこんなに勝てない時期はなかった。

一番勝ちたい場所で、一番勝てない。
言葉を荒らげたり、人目をはばからずに号泣したこともあった。

あまりの下振れに、精神が蝕まれ続けてきたのだと思う。

私がリーグ戦にデビューする朝、もしくはタイトル戦のいいところまでいった朝、村上から激励のLINEが届いた。
おそらく村上は関わりのあるほとんどの人に対し、激励のLINEを送っている筈だ。

村上も丸山と同様、他人の気持ちに対する共感性の高い優しい男。
勝ちたい気持ちも負ける悔しさも知っている。

その村上が、カメラの前で自分を見失うくらいに悔しがっている。
4連続飛びを喰らったあたりから続く慢性的な不調は、村上を限界へと追いやったのだ。

常に明るく振舞う村上の叫びに、Mリーグの闇と底しれぬプレッシャーを感じた。

園田も

村上の号泣にグッとくるものがあったと語る。
自身も2年目、何をやっても勝てずボッコボコに負けた時期があった。

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