それぞれの選択
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年3月21日
第2試合
東家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
南家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
西家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
各チーム94試合。
長かったレギュラーシーズンも最終戦となりました。
既にセミファイナルへの切符を賭けた勝負は大勢が決し、この試合で気になっていたのは個人MVPの行方。
先日の上位対決を制した伊達選手が暫定首位になり、この日の選手の結果待ちをしている状況でした。
⓵伊達 +320.2
⓶本田 +306.9
⓷瑞原 +270.3
④松ヶ瀬+257.4
⓹勝又 +241.3
⓺佐々木+213.3
⑦園田 +208.3
第一試合を終えての個人成績がこちら。
最終戦に出場する松ヶ瀬選手は42,900点以上・園田選手は92,000以上のトップを取れば、伊達選手をかわして逆転MVPといった状況。
ここまでのレギュラーシーズン187試合のうち42,900点以上のトップは102回。
現実的な条件が残されていた松ヶ瀬選手は東3局
親の内川選手からのリーチを受けて、国士無双のイーシャンテン。
MVP効率的には押しても文句は言われなそうな手牌でしたが
1戦目終わりのインタビューの時に「チームのポイントのため、見ている人の期待(個人MVP)を裏切る選択をしてしまうかもしれない」と答えていた松ヶ瀬選手。
無筋を押して無筋の余ったイーシャンテンはバランスを崩しているとの判断で、撤退を選択しました。
3位以下を大きく突き放し多少のワガママは許されそうなチーム状況において、それでも個人MVPよりもチームポイントを優先したのは
(※2022年2月18日)
昨シーズン終盤戦まで好調を維持していた松ヶ瀬選手は、個人1位を目指してバランスを変えて攻めたところ
(※2022年3月10日)
4連続逆連対で失速。
好調だったチームも2位から4位まで落ち、ポイントを減らし進んだセミファイナルで敗退したことが関係していました。
昨シーズンはレギュラーシーズン・セミファイナルとプラスしていながらも、ファイナル進出を逃したことで自分を責め
今年はレギュラーシーズンでの無駄な失点でファイナル進出や優勝を逃すようなことだけは絶対に許さないと、チームのために最善を尽くすことを誓い試合に臨んでいました。
ただバランスを保ち無理攻めしないだけでなく、無駄降りをしない松ヶ瀬選手は東4局
仕掛けとリーチに囲まれてを掴むと少考
内川選手の仕掛けは
ポンして切り
↓
を加カンせずツモ切り
↓
をチーして切り
この3巡を見て、からをチーしただと確信。
リーチの松本選手には危ないが、自身の待ちは絶好と
以外はしばらく押していく真っ向勝負の構えに出ました。
この山に多く眠っていたは
松本選手に届き、そのまま手牌が開かれて松ヶ瀬選手は同テンの引き負け。