ベルセルクに
切れぬもの無し!
高宮まりの胆力が
初優勝への道を切り開く
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年5月8日
第1試合
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:本田朋広(TEAM雷電)
北家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
2022シーズンのファイナルがとうとう始まった。
数々のドラマを生んだ2022シーズンのMリーグも、来週末で終わりを迎える。
レギュラーシーズン188試合のスコアを半分にしてセミファイナル持ち越し、セミファイナル30試合の結果をさらに半分にして持ち越したポイントとなっている。
このポイントから全チーム16試合を競い、5年目の優勝チームが決まる。
1位の風林火山と4位のKONAMIのポイント差は58.8ptで、これは過去最も僅差のファイナルとなっている。
2018シーズン
2019シーズン
2020シーズン
2021シーズン
2021シーズンが今年とほぼ同じ64.2pt差。一番差がついていたシーズンは2020シーズンの309.9pt差だ。
ただ非常に面白いのが、差が少なかった2021シーズン以外は全てファイナル開始時に4位だったチームが最終的に優勝している。
Mリーグルールは順位点だけでもトップとラスで80ptが縮まるルールで、かつファイナルは16試合すべてが直接対決となるため、短期勝負といえども300ptくらいの差であればひっくり返る可能性が十分にあるのだ。
ほとんどポイント差の無い状態からのスタートとなるため、連日順位が激しく動く、目の離せない展開が予測される。
そして始まった第1試合、最初のアガリが出たのは東2局1本場だった。
東1局は高宮・本田がリーチをかけるも流局となり供託が2本ある。
供託を得る意味でも先制のアガリを決めたいところだが、最初に動きを見せたのは親番の高宮。
上家の亜樹が切ったをカンチャンでチーする。
1,500点の仕掛けだが、供託・本場もつきアガれば3,800点と中々の収入になる。仮に攻め返されてもが暗刻なので守備力も問題ない。
2巡後、亜樹の手が止まる。
を引き、勝負手になる。
自身の手だけ見ればを切りたい。を切ればタンヤオが確定するが、が3枚見えているので受けが狭く、逆にの場況が非常に良い。打点もドラ・赤とあるのでタンヤオがつかなくても十分打点が見込めるからだ(を切ったとしてもはで受けがあるのため、純粋なロスはだけになる)。
ただ亜樹の下家は仕掛けている高宮。
789でチーしているので役は三色か一通、もしくは役牌の暗刻が考えられるが、チーしてからドラ表示牌のをトイツ落とししているので、少なくともターツは足りている、最悪テンパイが入っていると見てもいい。
テンパイしているならが当たる可能性は勿論あるし、していなくともチーしてテンパイを入れさせてしまうこともある。
判断が難しい局面だが、亜樹の選択は打だった。
自身の受け入れはやや狭く受けつつ、高宮に当たらなそう(鳴かれなさそう)な牌を選択する。危険牌を切るのは、自身がテンパイしたときもしくは形がさらに良くなったとき。亜樹が持ち前の冷静さを見せる。
2巡後、西家の日向がリーチをかける!
赤5sが入って打点も伴った手。待ちだ。
同巡、亜樹は日向の現物を切る。
そのを…
高宮がチーしてを暗刻から叩き切る!
切りリーチに対して暗刻からを切るのは非常に怖いが強く前に出る。亜樹が冷静さを見せたのなら高宮は胆力だ。待ちは。
2人のめくり合いになるかと思われたが