倍満へのカウントダウン！ 現最高位・竹内元太を待ち受けていた究極の選択【Mトーナメント2023/7/6 予選2ndステージ C卓】担当記者：江崎しんのすけ

受け入れが狭くなるうえ、が2枚見えているのでが良いとは決して言えない。

この選択肢のポイントは上家がポイントを競っている竹内であることが大きい。

瑠美にとって親の東城が連荘することは嫌だが、竹内のアガリで局が進むのも良くない。

供託が2本あるので、仮に竹内が満貫をツモるとほぼ並びの状態でオーラスに突入することになるし、2,600点以上をアガられるとオーラス満貫ツモで逆転されてしまう。

56sを切ると受け入れ自体は減ってしまうが、マンズの情報を出さないことによって、竹内がマンズ全部を切りにくい状態を作っているのだ。

竹内の手がまとまっておらずマンズが浮いていれば、アガリを諦めるかもしれないし、が一枚鳴ける可能性もある。

この判断が功を奏す。絶好のを引き、東城が切ったを捉える。
北のみの1,300点だが、供託・本場が入り3,900点の加点となる。

オーラスに入ったときの点数状況。
勝ち上がりは瑠美・浅井の2名で、ラス親は浅井なのでこの1局で終了する。竹内の条件は倍満ツモ、もしくは瑠美からの跳満直撃。東城は瑠美からの3倍満直撃かダブル役満ツモとなっている。

南4局、竹内の配牌。
とてもじゃないが倍満は見えない…
直前に切られたを合わせる。

7巡目、倍満のタネとしてはソーズのホンイツか345の三色などが見えてきた。
を切りホンイツは見切る。三色だけでは現状リーチツモ三色赤とあと3翻足りず、タンヤオや平和を狙っていく必要がある。

次巡、急所のを引き、打。
の縦引きからのタンピン変化を狙う。

そして次巡のツモは！　連続で4を引き三色がほぼ完成する。

14巡目、を引きタンヤオが確定！
三色になりツモれば6翻が確定する。配牌から見違えるほど良い手に仕上がりつつある。

そして15巡目にテンパイ！　カン待ちとなった。

現状リーチをしてツモっても6翻なので、倍満まであと2翻足りない。
ツモ番はあと3回。可能性としてはリーチをかけ一発か裏ドラ、南家なので海底ツモ、赤引き、もしくはツモって平和を付けたフリテンリーチなどある。

この5つの候補を組み合わせ、あと2翻を捻りださなければならない。

この後の方針を決めるため、長考に沈む竹内。
竹内の選択は残り2巡でのツモ切りリーチだった。

残りツモ2回なので、一発ツモか海底ツモかどちらか1翻がつくことになり、＋裏ドラが乗れば8翻をクリアできる。
残りツモ1回でリーチをかけ、一発と海底を複合させ8翻を狙う手もあるが、竹内はツモ回数が多い方を選択する。

結果は…

なんと海底でをツモ！
あの倍満など微塵も見えなかった手を裏ドラ条件まで仕上げた。

これで7翻…！裏ドラが乗れば逆転だ。
祈るように裏ドラをめくる。

しかしめくられた裏ドラは。
あと1翻が遠く、竹内は総合3着で終了。

初戦トップの浅井と、2戦目トップを守り抜いた瑠美の2名が決勝進出を決めた。

極限の選択で最後まで見せ場を作った竹内。
惜しくも敗退となってしまったが、現最高位としての実力をMリーグファンへ存分にアピールできただろう。

そして、見事ライバルとの競い合いを制し、決勝へ駒を進めた浅井。

決勝ステージからは、いよいよ今年度王者渋谷ABEMASの選手が登場する。来週からスタートする決勝ステージの前に、もし出場選手の予選卓を見逃していたら、ぜひABEMAプレミアムの見逃し配信でチェックしてから観戦を楽しんでほしい。